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西日本豪雨5年 重機訓練で新たな「備え」 倉敷市真備町

NHK岡山「もぎたて!」備えドキ!
  • 2023年06月16日

西日本豪雨からことしで5年。
甚大な被害を受けた倉敷市真備町では、新たな災害の発生を想定した取り組みが行われています。
この春に行われた取り組みに伺うと
東日本大震災で被災した人から受け継ぐ“備えのバトン”がありました。
(もぎたて!キャスター 勝呂恭佑)

さらなる災害発生への備え 早い復旧を

この春、真備町の河川敷を会場に行われたワークショップ。
東日本大震災などの被災地で重機を使って支援を行ってきた一般社団法人のメンバーを講師に迎え、
地域住民らが小型重機の操作法を習得していきました。
 

参加したひとり、会社員の須増国生さん。
西日本豪雨で真備町にあった自宅は5m以上浸水し全壊。
家の周りには、30~50センチほどの土砂が積もっていました。
その復旧作業で重機の力を感じたことから、この取り組みに参加したと言います。

真備町で自宅が被災した須増国生さん

「知り合いが重機を持ってきてくれて、ボランティアの運転できる人が土や砂をよけてくれた。
 災害時に土を動かすなどの作業で重機はすごい有効だと感じた。
 ただでさえ被災して気持ちが下がっている状態で、片付けなどが長引くと気持ち的により落ち込んでいく。復旧作業を少しでも早くして、少しでも気持ちを上向きにできる方が良いのではないか。だからこそ、自分でも重機を使えるようになりたい」

西日本豪雨 被災後の倉敷 真備町

さらなる災害が発生したときにいち早く復旧にこぎつけようと取り組みを進める
倉敷市真備町の箭田地区。
国際的な紛争や災害支援を行うNPOの助成を受け地区独自に3台のショベルカーを導入し、
小型重機の資格を取得する取り組みや災害現場での専門的な知識を持つ講師を招いたワークショップなどを2022年夏から開催してきました。
これまでにその資格を取得したのは60人余りに上ります。
 

この日、習ったのは災害現場で活かせる実践的な操作法。
流れ込んできた大量の土砂の先で作業を行わないといけない、
土砂の中に水道管やガス管 また大切な物が埋まっている、
家の裏の崖が崩れ 狭い中で作業をせざるを得ない、
様々な現場を想定しながら訓練を重ねていきました。

東北から真備へ 受け継ぐ備えのバトン

今回、指導を行った講師のひとりは国内各地で重機を使って支援を行ってきた萬代好伸さん。
萬代さん自身、宮城県出身で東日本大震災での被災経験もあります。
 

須増さんらに指導する 萬代好伸さん

萬代さんは真備の人たちへ、重機の技術とともに伝えたい思いがありました。

「重機を使えばこういう風に復活できる・直すことができると言うことを知っておけば、立ち直る自信にもなる。被害を受けても重機で何とかできるよねとなると、立ち上がっていくスピードが圧倒的に違うと思う。さらには、次の災害で苦しむ人たちにも、自分たちがそういう風にして立ち上がってきたんだと伝えることができる」

参加した須増さんもそのバトンを受け取りました。

「今後は災害が起きたときに協力できる場面があれば協力させてもらいたい。
 新たに災害が起こった地域の方が不安なとき私たちの災害経験を伝え、少しでも不安な気持ちを前向きになれるような力になれたらと思う。そのためにも訓練を重ねていきたい」

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