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甘みがぎゅっと詰まった国東の”塩トマト”

2024年3月6日 「ぶんドキ」で放送
  • 2024年03月06日

 

ぶんドキキャスターの早川愛です。
トマトはトマトでも、今回は「塩トマト」を取材しました。塩を使って栽培することで、甘味とうま味がぎゅっと凝縮されたトマトです。県内では佐伯市や日出町などで栽培されていますが、今回は国東市の塩トマトの魅力を取材してきました。

とっても広い!トマト農園

訪ねたのは、国東市国東町にある、塩トマト農園です。

塩トマトを生産している27歳の奥松慧士(おくまつ・さとし)さんです。
広さ220アールの農園で塩トマトを作っています。

奥松さんの農園では、養液栽培に取り組んでいます。
土ではなく、栄養分を含んだ水でトマトを栽培しています。

養液栽培で育てる塩トマト

連作が難しいと言われるトマト。
しかし、養液栽培にすると、初期費用はかかるものの、虫などによる病気のリスクが低下し、連作も可能になるため、効率的に生産することができます。

奥松さんは、この養液の中に塩を混ぜているのです。

塩で甘みが増す!?

では、塩を使うとどうして甘みが増すのか。

塩には、水分の吸収を抑える働きがあります。
養液に塩を混ぜることで、思うように根から水分を吸収できなくなります。
すると、トマト自体にストレスがかかり、そのストレスから身を守ろうと、糖分を多く蓄えるようになります。

奥松さんによりますと、一般的なトマトの糖度が4度ほどなのに対して、塩トマトの多くは、糖度が7度以上もあるということです。

よりおいしい塩トマトを消費者へ 収穫時のポイント

収穫するときに、よりおいしい状態で出荷するためのポイントがあります。

塩トマト生産者 奥松慧士さん

このあたりを収穫してみましょう

早川愛キャスター

トマトの色としては、まだ緑色と赤の間に見えますが・・・

塩トマト生産者 奥松慧士さん

真っ赤な状態で収穫してしまうと、お客様の手に届くころには熟しすぎてしまうので、青めの段階で採るようにしています。トマトの場合、糖度は、色がつきだしたくらいにはおよそ90%以上、決まっているので、多少青くても糖度は7~8度ほどあるようなトマトになっています

実をもぐときにも、ポイントがあります。

塩トマト生産者 奥松慧士さん

まず手でもぎ取ってから、そのあとにはさみで、へたの上を切ります。木から直接はさみで切ってしまうと、はさみで他のトマトに傷をつけてしまう可能性があるので、先に手で取ってから切るようにしています

どこが違うの? 塩トマト

こうして収穫した塩トマト。一般的なものと何が違うのでしょうか。

まず大きさです。

塩トマト生産者 奥松慧士さん

品種としては同じ大玉トマトですが、塩によるストレスで水分を吸いにくくしているので、このように同じ大玉トマトでも実が小さくなっています

実が小ぶりな分、塩トマトには大きな魅力があります。

塩トマト生産者 奥松慧士さん

トマトの中の水分が、しゃばしゃばしていないというか、より詰まったような形になっています。サラダに入れても、実が崩れにくいのが特徴です

塩トマトの甘みを生かしたおいしい食べ方

奥松さんおすすめの食べ方がこちら。

輪切りにしたトマトに薄切りのモッツァレラチーズを合わせたカプレーゼです。

おいしいです!チーズと合いますね。塩トマトの甘さが引き立っているように感じます。皮の食感もしっかりしています。そして、芳醇な香りが鼻から抜けていきます

塩トマト生産者 奥松慧士さん

そのまま食べてもおいしいと思いますが、加熱をしたり、チーズなどと相性がいいので、カプレーゼやラザニアなどにして食べていただくと、よりおいしいと思います。食卓に並んだときに喜んでいただけるように、心を込めて作っています

みなさんも、見かけたらぜひ試してみてくださいね!

  • 早川愛

    NHK大分 キャスター

    早川愛

    大分市出身。幼少期は日田市でおよそ10年過ごした。パスタは、トマトソースがいちばん好きです。

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