三好大倫 中日ドラゴンズ 勝負の4年目 何が変わった?
- 2024年05月10日
4年目の三好選手 どんな選手?
三好選手は2020年に行われたドラフト会議で社会人のJFE西日本から6位で指名されて入団。新入団選手の会見では「即戦力として指名されたと思っている。自分の持ち味は積極的にスイングができるところ。新人王を取りにいきたい」と意気込みを語っていた。そしてよくとし春のキャンプでは、練習を視察した当時の日本代表・稲葉篤紀監督から「非常にいいバッティングをしていた」と目を引く存在だった。
背水の陣の4年目 アピールに成功
三好選手は2年目に1軍初出場して夏にプロ初ホームランをマークしたが、3年目の昨シーズンは30試合と出場機会を減らしてしまった。そして26歳で迎えた4年目は自分より年下の選手が台頭する中、危機感を抱いてキャンプイン。2月10日に行われた初めての対外試合に3番センターで先発出場すると、第1打席の初球をフルスイングしてスリーランホームラン。キャンプから首脳陣の評価を高めていた打撃力を実戦できっちりと見せた。
その後のオープン戦はチームで唯一全試合に出場。12球団の選手で3番目に多い17本のヒットを積み重ねた。レギュラーシーズン開幕直前には、勝負の4年目を迎えた自身のバッティングについて手応えを口にしていた。
三好選手
キャンプからやってきたことが少しずつですが、なんとか形として出てきてくれたと思っています。1日1日状態が違う中でも自分のスイングができています。練習でもしっかり逆方向に強い打球を打ったり体の開きを抑えたりと、その時の状況に応じたアプローチできていると思います。
打撃好調だった背景にフォーム変更
「どうすれば結果を残せるのか」。三好選手は去年秋のキャンプから試行錯誤を重ねた。取り組んだのが打撃フォームの変更。当時2軍監督だった片岡ヘッドコーチと話し合いを重ねた結果、1人の一流選手を手本にすることを決めた。
三好選手
近本さんを参考にしました。失うものはないし、何か変えてやっていきたいと思っていたので。
参考にしたのは阪神の近本光司選手。去年はチームの日本一に貢献した球界を代表するリードオフマンだ。打撃フォームの特徴はバットの先をピッチャー方向に大きく倒している。同じ左投げ左打ちで、三好選手のクセを直すために参考になると片岡コーチが提案した。
三好選手はスイングをする時にバットと体が離れてしまうクセがあり、それだとボールをうまく捉えることができない。これを矯正するために近本選手のようにバットをピッチャーに向けて構えた。より体の近くで振ることができ、ミート力の向上につながっていると感じている。
三好選手
近本さんのフォームを参考にして最も変わったのは、バットが体から離れなくなったことです。体が前に突っ込まなくなったので、ボールがしっかり見れるようになりました。体の中でさばいている感触があります。低めのボールを我慢できたり、センターにはじき返せるようになったりしたと思います。
従来のフォームから大きく変えることへの挑戦には怖さもあったというが「何が何でも今シーズン結果を出したい」という強い覚悟。去年秋から練習を重ねる中で理想にする打球が飛ぶようにもなった。
加えて変更した打撃フォームが体になじんできたことで、結果が出なくても必要以上に焦ることがなくなった。オープン戦の終盤は疲れもあって打率を落としたが、今シーズンは最後まで1軍メンバーとして戦い抜く決意を示した。
三好選手
今、自分ができることをしっかりやって何とか中日ドラゴンズがAクラスに入って優勝争いができるようなチームになってそこに何とか勝利に貢献できるように精一杯やっていきたいなというふうに思います。
開幕戦の先発抜擢も 現状は厳しい立ち位置に
キャンプとオープン戦でのアピールが実を結び、三好選手は開幕戦に1番センターで先発出場。ここまで17試合に先発出場し、一時8年ぶりに単独首位に立ったチームの中で一定の役割を果たした。しかし肩のけがで2軍スタートだった岡林勇希選手が4月19日に1軍昇格した後は先発出場がわずか3試合にとどまっている。そうした中で迎えた4月30日のDeNA戦では、0対2で迎えた6回に代打で出場しライト前にヒットを打った。チームが相手先発の中川颯投手にヒット1本と抑えられていたところでチャンスを作る貴重な一打。三好選手は塁上で力強くガッツポーズし、1打席にかける思いの強さを見せた。
三好選手(4月30日の試合後)
あの場面でしっかり引っ張ることができたのでそこは自信にしたいですね。(記者:気持ちが入っているように見えましたが)そうですね。無我夢中でやっています。
レギュラー奪取という大きな目標へ。三好選手は出場機会が減る厳しい状況だが、しっかり前を見据えてプレーする気持ちを忘れていない。
三好選手
今はベンチスタートが多くなっていますが、チャンスはいつかくると思っています。そこに向けて少ないチャンスかもしれないですが、つかみ取っていきたいです。シーズンはまだ始まったばかりですし、これからが勝負だと思います。結果を出し続けることが大事なのでどん欲にいきたいです。
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