名古屋城をお堀から眺めてみると...
- 2024年03月28日
名古屋城の外側にある水堀。その幅は、広いところではおよそ80メートルもあるんです。
ふだんは入ることができない水堀から、船に乗って名古屋城を見てみたいと思いませんか?そんな思いを実現するための社会実験が行われました。
お堀から眺める名古屋城、いったいどんな景色なんでしょうか?社会実験に同行してみました。
(NHK名古屋 記者 田川 優)
水堀から石垣を間近で堪能!
名古屋城の水堀は、築城当時とほぼ同じ姿で残っています。この実証実験は、ガイドの解説を聞きながらおよそ1.5キロのルートを、30分かけて回ります。
出発してすぐ、西側の石垣を見上げるところで船が止まります。
石垣を間近でよく見ると…
石垣に何が刻まれているか、わかりますか?
実は、家康に命じられて石垣を積んだ土佐藩の山内家など、当時の大名家の家紋などが石垣に刻まれているんです。
続いてはこちら。
私の後ろの、石垣の角の部分に注目してください。整った形に切り出された石が隙間なく並んでいます。
毛利家の石材加工技術を間近に見ることができます。
場所によって石の積み方はさまざま。お城ファンにはたまらない距離感で石垣を楽しめます。
国の重要文化財「西北隅櫓」 最大の見どころ「石落とし」
さらに進むと、見えてくるのが「西北隅櫓(せいほくすみやぐら)」。
創建された当時の姿で現存し、国の重要文化財に指定されています。
こちら、飛び出ている部分にあるのが「石落とし」。
水堀を渡り石垣をのぼってくる敵を迎え撃つために作られたものです。船からしか見られない、このコースで最大の見どころです。
最後は「天守閣」と「金のしゃちほこ」
最後は、石垣の間から見上げる名古屋城のシンボル、「天守閣」と「金のしゃちほこ」、より特別なものに見えました。
今回は応募があったおよそ1200人から抽せんで選ばれた50人が船に乗り、参加者は、船を楽しんだあと、アンケートに答えていました。
楽しかったです。近くでやぐらとかを見れてよかったです
近くから、石垣ひとつでも成り立ちを説明してもらえて、歴史の中にトリップしていけたように感じました
名古屋市は、名古屋城の新たな観光スポットとして打ち出していきたいと、アンケートをもとに、検討を進めることにしています。
名古屋市観光文化交流局 佐藤慶和さん
「お城の外の水堀っていうところに今までスポットライトを当てたことがなかったので、そういう新しい視点から名古屋城を見ていただいてより知っていただけたらというふうに思っておりますので、いい事業にできたらなと思います。
2026年にアジア大会で国内外からも多くの方がお見えになると思いますので、是非そこまでに間に合うような形で、検討を進めていけたらなと考えています」
名古屋城の新たな楽しみ方が増えるのか、期待したいですね。