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KYジャーナル「知っていますか?ショートステイ里親」

  • 2023年11月17日

あえて空気を読まず、ズバッと解説、山本恵子解説委員(Keiko Yamamoto)の「KYジャーナル」。
10月は里親月間です。里親は虐待や親の病気などの事情で実の親と暮らせない子どもを「家庭」で育てる制度です。今回はみなさんにぜひ知ってほしい「ショートステイ里親」がテーマです。

「ショートステイ里親」ってなに?

「里親」というと、子どもが18歳になるまで家庭で受け入れ、育てる、という「養育里親」を思い浮かべる方が多いと思います。

この「ショートステイ里親」は子育て支援事業なので、子育て中の家庭であれば使うことができます。

子育てに疲れたり、病気や出産で入院したり、泊まりでの出張や冠婚葬祭に参列しなくてはならないときなど、18歳未満の子どもを原則7日以内の短期間だけ預かってもらえます。

もともと、預け先は乳児院や児童養護施設でしたが、2021年からは里親に預ける場合も国から自治体に補助が出るようになったこともあり、愛知県内では名古屋市や岡崎市、豊橋市などで「ショートステイ里親」が始まっています。

どう利用する?ショートステイ里親

では、どのように利用できるのでしょうか。

例えば・・・
①1泊2日で出張が入って、こどもを預ける場所がない。
②市役所や区役所に電話して、「ショートステイ里親」をお願いする。
③里親が見つかる。
④当日、里親支援専門相談員に子どもを託すなどして、里親のもとへ。
ただし、預けられる里親さんがいるかどうか、調整に時間が必要なので注意してください。

ショートステイ里親は、出張だけでなく、保護者の育児疲れや病気、出産、それに、看護、災害、冠婚葬祭への参加など「一時的に家庭での子育てが困難になったとき」に原則、1週間を限度として18歳未満の子どもを預けることができる制度です。

費用は、収入によって異なりますが、一日当たり、2歳児未満は5,350円、2歳児以上は2,750円です。

私も短期間、子供を預ける制度があることは知っていましたが、施設に預けること、また、施設が近くにないと子どもが学校に通えないなどの不都合があり、利用するのは難しいなあと思っていました。
もし里親の方が近くにいたら、そこから子どもが学校や保育園に通うこともでき利便性がぐっと上がります。

「ショートステイ里親」課題も・・・

問題は受け入れる里親が少ないことです。愛知県で里親登録しているのは625世帯(名古屋市を除く)、名古屋市は323世帯しかありません。

制度はあってもそもそも里親自体が少ないと、なかなか頼ることができません。今回「ショートステイ里親」を紹介したいと思った理由はそこにあります。
例えば、お子さんが自立した家庭などで、里親に関心はあるけど長期間育てるのは難しいと考えている方も「1泊2日なら・・・」とか、「1週間なら預かれる」と思う方もいるのではと考えたからです。

ショートステイ里親になるには数日の里親研修を受けることが必要ですが、子育て経験のない方や単身の方、共働きの方も一定の条件を満たせば里親になることができます。

また、ショートステイ里親には手当も支払われます。

▼2歳未満は1日、1万700円、
▼2歳以上は1日、5,500円です。

地域の子どもたちや、子育て中の人たちのために何かできないかなと考えている方は、ぜひ「ショートステイ里親」も選択肢の一つに加えてもらえたらと思います。

お住まいの地域の児童相談所で、里親の体験を聞く会や里親説明会が開かれています。関心ある方は、ぜひ、参加してみてください。

  • 山本恵子解説委員

    NHK名古屋放送局 報道部 副部長

    山本恵子解説委員

    愛知県出身。1995年入局。金沢局を経て社会部で教育、女性活躍、働き方改革などを中心に取材後、名古屋局で赤ちゃん縁組や里親について取材。国際放送局World News部を経て2019年再び名古屋局。「子ども子育て応援プロジェクト#わたしにできること~未来へ1歩~」スタート。2021年より解説委員(ジェンダー・男女共同参画担当)を兼務。高校生の娘の母。

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