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KYジャーナル 「アクティブ・バイスタンダーになろう!」

  • 2023年10月05日

あえて空気を読まず、ズバッと解説、山本恵子解説委員(Keiko Yamamoto)の「KYジャーナル」。
今回は性被害やハラスメントを防ぐことにつながると注目されている、「アクティブ・バイスタンダー」がテーマです。

アクティブ・バイスタンダー ”行動する傍観者”

身近な性暴力を見逃さないようにと制作された動画
「#ActiveBystander=行動する傍観者」のシーンです。

エスカレーターでの盗撮
すれ違いざまの痴漢行為
飲み会でのセクハラ

エスカレーターでの盗撮、すれ違いざまの痴漢行為、飲み会などでの嫌がらせ…
この動画のタイトルは「アクティブ バイスタンダー」、直訳すると「行動する傍観者」という意味です。
性暴力やハラスメントが起きたとき、また、起きそうな場面で、傍観者としてただ見ているのではなく「行動する人」のことで、最近、性犯罪やハラスメントを防ぐということで注目されています。

どう行動する? アクティブ バイスタンダー

では、上記のような場面で、「アクティブ バイスタンダー」として、どう行動したらのよいのでしょうか。

盗撮している人に一歩近づく
被害にあった人に声をかける
その場で注意する

盗撮している人に一歩近づく、被害にあった人に声をかける、その場で直接注意する…
動画ではこんな行動をとっていました。
いざ「行動する」といってもどうしたらいいのか、難しいですね。
具体的な5つの介入方法を紹介します。

具体的な5つの介入方法

▼直接介入する
この場合は、身の安全の確保をした上で、加害者に「やめてください」などと声をかける方法ですが、なかなかハードルが高いのも事実です。そこで、こんな方法もあります。

▼注意をそらす
被害に遭っている人の知り合いのふりをしたり、「ハンカチ落としましたよ」と声をかけたり、意図的に飲み物をこぼしたりして加害者の注意をそらすことで被害を防ぐ方法です。

▼第三者に助けを求める
警察や駅員などに知らせて、介入してもらう方法。

▼証拠を残す
スマホなどで映像や音声を残したり、いつ、どこでといったメモを書いたりして証拠となる記録を残す方法。

▼後からの対応(フォロー)
そのときは介入できなくても、被害者に「大丈夫ですか」と声をかけたり、通報する手助けをしたりすることも介入方法の一つです。

アクティブ バイスタンダー 痴漢防止に効果あり

こうした第三者の行動が「痴漢の防止につながった」というデータもあります。
愛知県鉄道警察隊がまとめた「痴漢・盗撮撃退ハンドブック」では、電車内での痴漢62件を分析した結果を公表しています。

被害者が明確に拒否した場合、犯人の95パーセントは犯行を断念しました。
一方で、無言で防御しただけの場合は、断念したケースが33%、67%が犯行を継続しています。

では、第三者からの声かけがあった場合は、何%が犯行を断念したでしょうか?

なんと、100%が犯行を断念したのです。
第三者が行動することが、痴漢の防止につながるのです。

また、こうした「第三者の行動」は性犯罪の防止だけでなく、職場でのハラスメントや、学校のいじめの防止にも役立つということで、実践が始まっているところもあります。

ヤマケイのひと言

「アクティブバイスタンダーになろう!」。

見て見ぬ振りをすると、あとから後悔することもあります。必ず行動しなくてはいけない、ということではありませんが、第三者のちょっとした行動が被害防止のための大きな力になります。ぜひ、こんな方法があると知って、行動してもらえたらと思います。

  • 山本恵子解説委員

    NHK名古屋放送局 報道部 副部長

    山本恵子解説委員

    愛知県出身。1995年入局。金沢局を経て社会部で教育、女性活躍、働き方改革などを中心に取材後、名古屋局で赤ちゃん縁組や里親について取材。国際放送局World News部を経て2019年再び名古屋局。「子ども子育て応援プロジェクト#わたしにできること~未来へ1歩~」スタート。2021年より解説委員(ジェンダー・男女共同参画担当)を兼務。高校生の娘の母。

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