脂トロける!答志島のさわら 福元まりあアナの東海グルメ紀行
- 2023年10月13日
今回ご紹介するのは、三重県の海の幸! 新鮮な旬の味とその秘密を取材しました。
まず訪れたのは三重県鳥羽市。豪華な海鮮丼をいただきます!
マグロ、ヒラマサ、スズキ、全部三重県でとれた魚です。
身が厚くてプリプリでおいしい!
海の幸であふれる三重県ですが、ほかにも、まさにいま旬の魚が答志島にあるそうです。
それが…「鰆(さわら)」。漢字の通りだと春のイメージがありますが、三重県答志島では、秋から冬にかけて、まさにいま旬を迎えているんです!
鳥羽マリンターミナルから船に乗って、三重県最大の離島・答志島へ!
早速、地元の方に答志島のさわらについて聞いてみると…
「さわら、脂のっておいしいよ。港につないである船全部出ていくんやで、さわら取りに。」
そう聞くと、いてもたってもいられません!
おいしいさわらを探して、漁師さんたちの集まりへ。
新鮮なさわらをいただいたところ、モチモチ食感でおいしい!
ところが、これをはるかに上回る「極上のさわら」があるというのです。
それは答志島の「トロさわら」。
地元の漁業協同組合や鳥羽市などがブランド化に取り組んでいます。
ブランドに認定されるには、厳しい基準がいくつもあります。そのひとつが脂肪含有率。
計測器で計測して、10%以上が認定の絶対条件です。
脂肪含有率の高いさわらだと、20%を記録することも!
太っている個体でも脂肪含有率が低かったり、少し小ぶりな個体でも脂肪含有率が高かったりすることもあるそうです。そのため、ひとつずつすべて手作業で計測することで、確実に脂ののったさわらを出荷できるようにしています。
なぜ答志島のさわらは、これほど脂がのっているのでしょうか?
その答えは、伊勢湾! さわらの餌はイワシです。伊勢湾の豊富なプランクトンを食べて太ったイワシを食べるので、さわらも丸々となって脂がのるのです。
厳しい基準は、脂肪含有率だけではありません。
・2.1kg以上4kg以下
・一本釣り
・傷がない
など、ブランド基準は19項目。
それらをすべてクリアしたさわらだけが、ブランドに認定されます。
その証しがこのタグ。タグの裏面には、釣った漁船の名前が入っています。「自分の釣った魚に責任を持ちたい」という漁師さんの意見から始まった取り組みです。
秋から冬にかけてのさわらは全身が真っ白になるほど脂がのり、格別な味わい。
地元のすし店で、ブランドものの貴重な味をいよいよいただきます!
腹はお刺身、背は炙りと、部位ごとに違いが楽しめる一品です。
お刺身は、口に入れた瞬間にじんわりした甘みがとろけます! 名前の通りまるでトロのよう!
炙りは、香ばしさと甘さを交互に味わえて、後味はさっぱり。
お刺身に塩を振るのも、大将おすすめの食べ方。脂の濃厚さをより一層感じられます。
味わい方はほかにも。答志島の海苔で巻いた、トロさわら巻きです。
海苔の香りが口に広がって、さわらの甘みと一緒に食べるととてもおいしいです!
トロさわらはここ数年、海水温の上昇や産卵を控えたさわらの乱獲などで、漁獲量が落ち込んでいます。三重県では資源を守ろうと、漁を休む曜日を設けるなど、持続的なさわら漁の実現に向けて動いています。和具浦の漁師さんの8割は、さわら漁が中心。漁師さんたちは、答志島のトロさわらは宝物だと話していました。
答志島のトロさわらは、答志島の飲食店や宿泊施設を中心に、東海地方や全国にも出荷されています。