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長崎の激坂で競う!「福山雅治杯 きゃあまぐる坂GP」

  • 2023年07月31日

長崎市飽の浦にある変電所の坂、通称「きゃあまぐる坂」。長崎に数多ある急坂の中でもかなりの激坂です。この坂を舞台に珍しいレースが行われました。長崎の坂を全身で体感してきました。

NHK長崎放送局アナウンサー 池田耕一郎

第6回 きゃあまぐる坂GP

2023年7月29日(土)午前8時45分。長崎市内の坂で全国的にも珍しいレースが開かれました。その名は「第6回きゃあまぐる坂GP」。坂の中腹から九州電力の変電所までの80mを2人ずつ走ってタイムを競います。

この坂道の角度は20度以上、勾配は40%を越えます。

 

福山雅治さんのアイデアで開催

この全国的にも奇特なレースは2015年に長崎市出身の福山雅治さんのアイデアで始まりました。ちなみに大会を主催する長崎青年協会によりますと 「きゃあまぐる」とは長崎の古い方言で「えらくきつい」という言葉だそうです。

ことしはコロナ禍をはさんで4年ぶりの開催です。6回目の今年は長崎県内外から健脚自慢、面白いこと大好きな人たちが集まりました。男性の部に31人、女性の部に6人の参加でした。ということで私も参加してきました。なお、参加費は無料です。

 

過酷で最高の80m走!

みなさん、スタートが近づくにつれて、顔から笑顔が消えていきます。緊張感がどんどん高まる中でスタート!

コースは途中で大きく右にカーブします。私は、傾斜がきつくても距離が短いインコースを選択。ステップを踏んでいきますが、地面から跳ね返される感じでなかなか進みません。20mくらい登ると脚の筋肉が動かなくなる!もがく、もがく、もがく!脚がもつれながらフィニッシュ。マットに倒れこんだ瞬間の解放感が最高でした。

たかが、80m。しかし、長い長い80mでした。タイムは22秒75。男性の部で31人中19位。多少自信があったのですが、 見事に打ちのめされました。

 

さて、走り終えてからは応援に回ります。選手たちが目の前の坂道に集中して、懸命に駆け抜けていく様子は絵になります。

 

優勝 長崎国際大学 江浦伶音さん

優勝したのは初出場の江浦伶音(れおと)さんです。陸上部に所属していて専門は100mのスプリンター。タイムは15秒10!まるでロケットのような勢いで登って行きました。

優勝の喜びをすがすがしい表情で語ってくれました。

長崎国際大学 江浦伶音(れおと)さん 
「母が勝手にレースに申し込んでいました。これほどの坂を走るのは初めてでしたが、最後まで脚が動きました!」

 

準優勝 森史哉さん 前道瑞貴さん

森文哉さんと前道瑞貴さん

準優勝は長崎市在住の森史哉さんと諫早市出身の前道瑞貴さんです。二人は同じ組でスタート。はじめ前道さんが先行するものの森さんが後半にまくります。最後まで競り合うデッドヒートを繰り広げ、同着の16秒03。

ともに29歳の二人。陸上部出身で現在もマスターズ陸上で競う仲だそうです。お互いの健闘を称えて、やりきった笑顔をしていました。

森史哉さん
「陸上競技でこれまで前道さんに一度も勝ったことがなかったので嬉しいです!」

  実は前道さんは前回大会まで3連覇中でした。「きゃまぐる坂GP」の魅力をうかがいました。

前道瑞貴さん 
「最後まで自分を追い込んで、自分の気持ちと勝負するのがこの競技の魅力です」

 

大会には第1回から出場している皆勤賞の方もいらっしゃいました。 東京から来た佐々木直哉さんです。同組で一緒に走らせていただきました。

佐々木直哉さん

佐々木直哉さん
「福山雅治さんのファンで参加しました。こんな坂はなかなかないです。登った後の景色が好きです」

 

長崎の課題を魅力に!

大会は長崎青年協会の皆さんが運営しています。激坂の上まで大きなマットを運んで設置していました。選手一人ひとりに声援を送っていて、地域を盛り上げたいという気持ちが伝わってきました。

長崎青年協会副会長 赤木幸仁さん
「長崎は坂の街。そうした課題を魅力にしていきたい。ぜひ一度、体感して欲しいです」

坂の街ならではの「きゃあまぐる坂GP」。長崎の坂を愛する一市民として来年以降の開催を楽しみにしています。

※8月1日 写真を追加しました。

  • 池田耕一郎

    NHK長崎放送局アナウンサー

    池田耕一郎

    2000年入局
    フルマラソンのベストは2時間43分42秒。
    休日は長崎あちこちの坂を巡っています。

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