長崎からパリへ！三菱重工マラソン部②定方俊樹選手

タイムとしては、（１キロ）３分ペースで進むレースの中で、最後の１０キロも落とさずにそのまま行けたことは、今までできなかったことなので、成長できていると感じました。 

大阪マラソンでは、勝つことを目的にしていたんですけど、日本人の中だと４位だったので、勝負の中でもっと思い切りいくべきだったところとか、ちょっと迷いがあったりだとか、レースの中で反省するところはあったと思うので、ちょっと出し切れなかったかなと思います

今まで日本代表という経験はありませんでした。 

５回目のマラソン（２０２０年　東京）で、やっと２時間７分５秒（自己ベスト）という記録を出せましたが、それまで２時間１５分や２０分かかるマラソンばかりで、
自信を持てる練習ができていても、本番でなかなかうまくいかないことが続いていて、結構苦労してきたと思います。

 ひとつずつ課題を克服して、一歩一歩強くなってきたことで日本代表というところまでこれたのはすごく嬉しいことです。

大学は箱根駅伝を夢見て東京に行ったんですけど、長崎を離れてみて、改めて長崎への思いが強くなってきて、軽いホームシックになりました。
東京に行ったときに、その他大勢のひとりで、悩んだり強くなれない自分がいるなかで、やっぱり応援してくれる人のそばで頑張りたい、走りたいと思うようになりました。

特に長崎市内は坂ばっかりなので、登りたいときに登れます。
朝練習の集団走では、自分の気分と関係なく、必ず行くコースが決まっているので、そういうところで脚は鍛えられています。

合宿とかになると1人の時間があるので、ドラマやアニメの配信を見ていて、NHKの朝ドラも毎日欠かさず見ています。 

あと、NHKのラジオ英会話も去年からずっと聴いています。
朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の影響で、（主人公が）ラジオ英会話を聞いてしゃべれるようになったので、本当にそうなのかなと思って、自分で実験してみようと思って聴いています。
まだしゃべれるようになってないですけど、知識はすごく増えていて、まだ継続中です。

この前の大阪マラソンも（娘が）現地まで来て、すごく叫んで応援してくれました。
一瞬ですけど応援している顔を見るとやっぱり本当に力が湧いてきます。 

この前なんかいいこと言ったなと思って携帯にメモしたんですけど…
ちょっと見ていいですか

（娘が）「順位とかタイムが大事なわけじゃないんだよ。パパが最後まで頑張れたことが大事なんだよ」って言ってたよって、奥さんから言われました。

自分が子どもに言うようなことを逆に言われて励まされたので、このことばはずっと覚えておこうと思っています。
日々励みになっています。

（年齢が）1個下の井上には負けたくないという気持ちでずっと練習をしてきていて、彼がチームにいることで僕が強くなってきているというのは確実にあると思います。
彼の存在は僕にとって大きなものになっています。 

いつもチームメイトの活躍は１００パーセント喜んで応援しているんですけど、この前の山下の走り（東京マラソンで日本人トップ・日本歴代3位の記録）については、悔しい気持ちの方が大きかったです。　
特に山下は、トラックひとつひとつのレースでも負けたくないって思える相手で、本当にいい存在です。 

負けたくない後輩っていったら2人ともそうですね。

パリの道が全くなくなるわけではないですし、
（ファイナルチャレンジの）記録を超えるぐらい強くないと、オリンピックに出ても戦えるレベルではないと思うので、
まずはしっかり日本代表としてアジア大会で金メダルを取るっていうことを、自分の強みにしていこうと考えました。

絶対に出場したい夢の舞台です。
どれだけ戦えるのか、自分の力を試したいと思っています。
夢といっても本当に実現できるところまでやっとここまで来たので、
是非この夢を実現させたいと思います。