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高校野球 夏の甲子園宮崎大会いよいよ開幕!注目校と見どころ

NHK高校野球解説 岡元孝志さんが語る
  • 2023年07月07日

7月8日(土)に開幕する夏の甲子園、第105回全国高校野球選手権。宮崎大会の注目校は?見どころは?県内の高校野球を50年以上見てきた解説者がたっぷり語ります。

岡元孝志(おかもと・たかし)さん
都城農業高出身でキャッチャー。
3年生の夏に甲子園に出場し、選手宣誓を務めた。
大阪商業大では全日本大学野球選手権準優勝。
都城農業・宮崎農業・高原高校で監督を務めた。
宮崎福祉医療カレッジ元監督。

今大会は、46校が参加してA~Dの4つのパートに分かれ、トーナメント形式で戦います。
それぞれのパートを勝ち抜いた4校が準決勝へ、そして決勝で勝った学校が宮崎代表として、8月5日に開幕する夏の甲子園に出場します。

Aパート

開幕試合は鵬翔宮崎農業
第1シードの高鍋が初戦から、去年夏ベスト4の都城泉ヶ丘と激突します。ほかにも第8シードの都城商業、また都城東宮崎学園など力のある私立が入りました。

岡元's eye 高鍋高校

高鍋高校は秋の県大会で準優勝して九州大会に出場。
春のセンバツの21世紀枠の候補に選ばれましたが、出場はかないませんでした。

注目ポイント① チームの中心 エース山床

130キロ台の直球と、コースをつく変化球が持ち味。
直球と変化球で、投球フォームとひじの高さが変わらないので、打者は球種を絞り切れずタイミングが合わせにくい。秋は体力を心配していたが、直近の試合ではスタミナがついてきた様子が見られて、心配がなくなったように感じる。
けん制球もフィールディングも上手なので、相手は2塁にランナーを進めるのが難しい。キャッチャーの出口幸武選手も肩がいいので、敵はなかなか得点圏にランナーを進められないと思う。

注目ポイント② ここぞという時につながる打線

山床投手は打線の中心にもなっている。少々甘く入った球は容赦なく長打にすることができる。1番・2番を打つ河野修士選手や山本煌士選手は出塁率が高く、続く中軸の矢北亜澄選手や椎葉大輝選手にもパンチ力がある。秋の大会の準決勝では、終盤矢北のホームランなど打線が爆発して一気に突き放した。山床投手が楽な気持ちで投げられる試合展開を作るためにも、打線がどれだけ先に点数をとれるかがカギになる。

高鍋高校は昭和58年の第65回大会以来40年ぶり7度目の夏の甲子園を目指します。

森下謙信主将
守備から流れを作って、打線につなげるチーム。バッティングでは球が速いピッチャーへの対策を重点的にやってきた。平日の練習時間は2時間と短いが、効率的な練習ができた。あと1歩でセンバツに出場できなかったが、「自分たちは夏に実力で甲子園に行く力があるから選ばれなかった」とポジティブにとらえ、周りの期待の声もプレッシャーではなく力に変えたい。3年生にとって最後の夏を、自分たちにとって一番長い夏にしたい。

Bパート

第4シードで春夏通じて初めての甲子園出場を目指す小林秀峰、第5シードの日南学園に加え、去年ベスト4の小林西など、強豪校がそろいました。

岡元's eye 日南学園

注目ポイント① チームのまとまり

チームを率いる金川豪一郎監督の「このチームで甲子園に行く」という強い思いが選手たちに浸透して、まとまっている。キャプテンで中軸を打ち、キャッチャーとして扇の要の役割を果たす中村選手の存在が大きい。攻撃でも守りでも大きな柱になっている。

注目ポイント② 春よりパワーアップした打線

春の大会、猛打で優勝した日南学園だが、中軸がケガで出場していなかった。その2人が戻ってきたし、相当振り込んでいてピークをうまく調整できているはず。2年生ながらスタメン入りし1番を打つ馬乘園選手は、春の大会でホームラン。チームがつらいときに一本打ってくれるのでキーマンになると思う。

注目ポイント③ 層が厚くなった投手陣

もともと町屋投手が1人で投げていたが、本田投手・高原投手との3枚看板になった。町屋投手も投げやすくなる。継投策をとることが多いと予想されるが、それぞれがロングイニングを投げる力があり、多彩な戦い方に期待。それぞれの持ち球をどのように生かすか。キャッチャーの中村選手がどのようにリードするかが楽しみ。

日南学園は5年前の夏に出場して1勝をあげました。
甲子園で勝つために、まずは甲子園への出場権獲得を目指します。

中村優太主将
自分たちは打つチーム。課題は守備で、特に投手と内野の連携を重点的に行ってきた。冬の間、追い込んだ練習をして、そのおかげで春の大会で優勝することができたので、夏はさらに「とれるアウトをしっかりとる」その確実性をあげていきたい。優勝するためには初戦の入り方が大事だと思うので、接戦になっても落ち着いてプレーすることを心がけたい。

Cパート

去年準優勝の宮崎西、おととし準優勝の延岡学園と、優勝経験がある日章学園などが入りました。

岡元's eye 延岡学園

注目ポイント① 打撃力と機動力のコンボ

全国でも通用する攻撃力は圧倒的。4番の山本選手を中心に、1番から9番までホームランを打てる選手が並んでいる。総じて素晴らしい。
そして1番の柴田選手が打って走ってバントも決めて、素晴らしいセンスの持ち主。ピッチャーの目をうまく盗んで盗塁も積極的。チームとしてさらにまとまると、もっと強くなる。

注目ポイント② 堅い二遊間の守備

1年生からコンビを組んでいるセカンドの柴田選手・ショートの濱岡選手のコンビ。息がぴったりでエラーも少ない。「このあたりに飛んできた球はどっちがとる」「ここで相方が捕った球はこのタイミングでトスされる」など、言葉に出さなくてもわかるくらい。攻撃面でも、柴田選手が1番、濱岡選手が2番で流れを作るため、チームにとって大きな存在になっている。

注目ポイント③ 多彩な投手陣

4人にエースの藤田和樹投手を加えた5枚看板

5人がそれぞれ別の学校にいたら、全員がエースになれるレベルのピッチャー陣。特に工藤投手は、2年生ながら安定感がありテンポもよく、少なくとも5回までは試合を作れる。直近の試合で投げていない投手もいるが、それぞれ完成しているため、継投のタイミングが気になるところ。

延岡学園はちょうど10年前に甲子園で準優勝し、それが宮崎県勢としての過去最高成績。
それ以来の夏の甲子園出場で日本一を目指します。

10年前の甲子園の決勝を見て延岡学園に憧れた選手もいます

濱岡蓮斗主将
秋や春は、チーム打率が4割を超えているのに勝てない試合があったので、もっと打てるように打撃練習では木製のバットを使ってコンタクト力をあげてきた。三振が少なくなり、以前にもまして点が取れるチームになっている。2年前の宮崎大会の決勝で敗れた先輩の姿も見た。悔しさは自分たちに託されているのでまず切符をとりたい。夏の独特な雰囲気の中でも、どんな相手でも気持ちを切らさずに戦いたい。全員で声を出し、チーム力をもっとあげて大会に臨みたい。

Dパート

もっとも混戦のパートです。
甲子園経験のある聖心ウルスラ学園宮崎日大に加え秋ベスト8の宮崎第一延岡工業、選手権大会ベスト8の日南振徳がノーシードで挑みます。迎え撃つは2つのシード校、去年の覇者富島と一昨年の覇者宮崎商業です。

富島は2年生が中心のチームでぐんぐん伸びている。もう少しというところもあるが、積極的なプレーに期待。
そして“負けない”宮崎商業がどう出てくるか。エースの永山翔琉選手を中心にまとまっている。

いよいよ開幕!球児たちへ

岡元孝志さん
夏は何があるかわからない。甲子園初出場が出てくる可能性も大いにある。すべての学校にチャンスがあると思う。3年生にとっては最後の夏で、これまでの集大成。コロナ禍で制限のある大会が続いていたが、ことしは通常開催なので全力プレーで、自分たちの思いを一球一球にぶつけて頑張ってほしい。

第105回全国高等学校野球選手権記念宮崎大会
会場:サンマリンスタジアム宮崎
   アイビースタジアム
7月8日(土)開幕
7月23日(日)準決勝
7月25日(火)決勝   
NHKでは、準決勝と決勝の試合をテレビとラジオの中継でお伝えします。

  • 道上 美璃

    宮崎局 アナウンサー

    道上 美璃

    入局4年目
    高校野球が大好きです
    3年生の最後の夏、全力で取材してお伝えします!

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