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名字研究家 初恋のお名前を訪ねて下妻へ(後編)

執筆者のアイコン画像向井一弘(アナウンサー)
2022年06月01日 (水)

民放バラエティー番組でハンコ屋さんと名字対決するなどテレビでも大活躍の名字研究家、髙信幸男さん。研究にのめり込んだきっかけは、下妻法務局での勤務初日、窓口で読めなかった「鉄羅」(てつら)さん。47年が経過して、遂に初対面を果たしました!

 

鉄羅はどこから?

お話を聞かせて頂いた鉄羅正樹さんのお宅は下妻市中心部にほど近い住宅街の中。立派なお屋敷です。話を聞くと、道路の向かいが鉄羅家の本家で、正樹さんのお宅は昭和50年代の初めに建てたのだそう。その前に「土地の登記などで法務局に行っていた」とのことで、もしかすると47年前の窓口で髙信さんが出会ったのはご本人だったのかも!と、対談の冒頭から2人は大盛り上がり!

20220602m_1.jpg今回の対談を前に高信さんは独自に調査を進めていました。

髙信さん
地名があれば名字は存在するもの。鉄と羅の組み合わせはなかったが、「手面」と書いて「テヅラ」という地名が桜川市(下妻市に隣接)にあり、さらに「手面」という名字は筑西市(これも下妻市に隣接)の下館に多い。もしかすると下館から下妻に移り住んだ手面(テヅラ)さんが、音に合わせて鉄羅(テツラ)と漢字を変えたのかもしれない。

 

20220602m_2.jpg一方の鉄羅さんも、名字の由来を長年調べ続けてきた方です。鉄羅家に代々伝わって来た話を髙信さんにぶつけます。

鉄羅さん
中国には羅さんという名前があり、朝鮮半島には新羅という国もあった。元々の先祖は大陸からの渡来人だったのではないか。少なくとも室町時代から私の祖父の代まではずっと医者の家系だった。

 

すると、髙信さんの表情が一変!

髙信さん
昔の医者といえば薬。薬と言えば大陸からの伝来ですからねぇ。可能性としては面白いですね~

 

記憶と記録を拾い集める

かつて鉄羅さんの本家には少なくとも室町時代までは歴史をさかのぼれるだけの文献や資料があったそうです。鉄羅さんも何度か見ていたそうですが、残念ながら資料の大半は火災で焼失。今は江戸後期以降のものしか残っていません。しかし髙信さんとの対談で勇気づけられた鉄羅さん。

20220602m_3.jpg鉄羅さん
見聞きしたものはまだ私の記憶にある。髙信さんにアドバイスをもらいながら、鉄羅家の歴史を資料にまとめたい

 

と目を輝かせていました。

髙信さんによると名字のルーツを探る際には家紋や墓石なども大きなヒントになるそうです。筑西の手面さん、下妻の鉄羅さん、それぞれがご先祖から大事に受け継いできた情報を突き合わせると、さらに面白い発見があるかもしれませんね。

 

 

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