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『生きているし、自分を捨てられない』留守電の声【音声コンテンツ Vol.9】

月に1回放送している「みんなでひきこもりラジオ」というラジオ番組。実はテレビでも再放送をしているのですが、6月5日に放送をしたところ、この留守番電話にたくさんのメッセージを寄せていただきました。放送後の2日間で85件もの声です。

番組への感想やリスナーに伝えたいメッセージがたくさん集まったんですね。1本あたり2分という限られた時間ではありますが、一人で語っている、その声。勇気を振り絞って受話器を手にしたその言葉を、ぜひ聴いてみてください。音声を変えてご紹介していきます。

夜分遅くすみません。6月4日、6月5日の再放送のラジオのNHK番組を見ました。皆さん大変しんどい悩みとか、一人じゃないかなと思ったんですけど

えーっと、わたしにとって、命よりも大切な人が、亡くなってしまいました。きょうのその人の、6月4日誕生日です。2006年の12月7日に亡くなっているんですが、生きていたらいいかなと思ったんですけど、夢にも出てきてほしいんですが、亡くなった人のことがいまだに忘れられないので、前に進めないんですけど、どうしたらいいですか。死にたいです。おやすみなさい。

普通に働いています。ただ普通に働いているつもりですが、正直自分自身そんなに楽ではないです。いろんな人、いろんな思い、本当に大変です。悲しくなるときがすごくあって、どうしようかなって思うときがすごくあります。だけど、だけどね、47になりますが、自分を捨てることはできないです。生きているし、自分で自分を捨てることはできない。そうなったときにどうするか、すごく悩んでいます。どうなんでしょうね。酒であったり、たばこであったり、そういったものに逃げていますが、本当に苦しい、苦しいなって思っています。でもそれよりも生きていることに意味があるのかなって思えるところもあるので、生きています。だからみんなにも伝えたい。生きていこう、生きているだけでもうけもん。そういう言葉を聞いているとみんなも思っている、思います。死なない、そう、死ぬのは簡単なこと。たぶん。昔自殺を図ったこともあります。大変でした。誰かに迷惑をかけちゃいけないです。

初めてこの番組を見ました。NHKでなんだろう、時間を見たくてつけたらいつもと違う番組だったので、だけども、実はね、私はこの3月に4年間ひきこもっていた長いトンネルから抜け出されたので、今ちょっと電話したいなと思って電話しました。長いトンネルから抜け出した原因は、孫の一言。「ばあちゃんの作ったゼンマイの煮つけが食べたい」。そんなことであれだったな・・・。ずーっと「どっか行こう」って言われても、「行かない、一人で行けば」と言い続けてきた私が、今年、雪割り草の花のことを新聞だったかテレビで聞いて、その時「私ここ行きたい」って本当に声に出して言ったら、4年間ずーっとどこも行かなかったのを、主人が喜んで、「じゃあ行こう」とか言ってそれで出かけたんだけど、それから「娑婆(しゃば)の風っていいね、なんか気持ちがよかったよ」とかいって、それからなんかどんどん出たがりが続いて、今はもう本当にあの長いトンネルってなんだったんだろうって。

皆さんどんなふうに聞いてくださいましたでしょうか。

最後の方の言葉。4年間ひきこもっていて、長いトンネルから抜け出したので、電話をしてみたいと思ったということでした。そのきっかけはお孫さんから「おばあちゃんの煮つけが食べたい」と言われたことだそうですね。どんなことがトンネルから抜け出すきっかけになるかわからないですけれども、そうした煮物でもいいですし、好きな本や音楽、何でもいいと思うんですけど、そうした一歩、また教えてもらえたらと思います。

ラジオの再放送をテレビで行うようになったことで、これまでよりたくさんの方に声を届けてくださるようになりました。今回、実はそのテレビを見てくれた方の声が多いようです。ラジオもそうなんですが、切実なメッセージに対して、実は私も同じような気持ちだったと感じてくださって、声を寄せてくださる方、本当に多いと思います。

こうした声がつながっていくということがとても大事なのではないかと考えています。

私たち「#となりのこもりびと」の取材班では、皆さんの声を聞かせていただくために1本の電話を開設しました。この電話、どんなにかけても取材班がとることは決してありません。24時間、ずっと留守番電話というちょっと変わった電話になります。留守番電話のメッセージは、NHKの番組やインターネットなどでご紹介させていただくこともあります。

留守番電話フリーダイヤルはこちら0120-545-501です。ぜひ何か思ったことがありましたら、かけてみてください。

この記事のコメント投稿フォームから皆さんの声をお待ちしています。

投稿フォーム「留守電」(フリーダイヤル:0120-545-501)でも、皆さんの声を募集しています。

担当 栗原 望の
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この記事の執筆者

アナウンサー
栗原 望

みんなでひきこもりラジオMC。ラジオを通じて声を聞くひと。「こんな学校だったら」「こんな職場だったら」「こんな家庭だったら」。ひきこもり当事者の声が響くような社会になるように、みんなで一緒にできることを考えます。

みんなのコメント(1件)

感想
おとうふ
女性
2023年10月9日
ひょんなことからひきこもりを終えたお話がとても印象的でした。努力とかじゃなくて、些細なことをきっかけに苦しい時を終えられることもあるとわかって、ちょっと楽になりました。