【今だけ!】阿蘇神社の楼門を間近で楽しむ
- 2023年03月06日
ことし復旧!楼門を特別に見学
熊本地震で大きな被害を受けた阿蘇市の阿蘇神社。
神社のシンボルである楼門は、押しつぶされるように倒壊しました。
あれからまもなく7年がたちます。
(阿蘇支局・北条与絵)
素屋根の解体工事前に・・・
工事は9割ほど終わり、ついに、楼門を囲っていた「素屋根」を取り外す解体工事が始まります。
今回、阿蘇神社では特別公開として、「素屋根」内部の足場を使って、楼門を間近で見学できることになりました。
素屋根のなかに入るとすぐ目に入るのは、大きな扉。
通常は、参拝客を24時間迎えるべく開いているため、閉じたままの状態はかなり珍しい光景です。
足場の高さから見られるのは特別
工事用の足場を使って、上段に上がることもできます。
葺いたばかりの銅板の屋根も目の前に。
雨にあたっていないため驚くほどピカピカです。
素屋根を外すと、すぐに黒くなってしまうため今だけの姿です。
楼門の正面には、迫力のある「唐破風(からはふ)」が。
いつもは見上げるだけですが、1メートルもない近さから、目線の高さにある美しい破風を見ることができます。
屋根の側面、「妻飾(つまかざり)」。波や雲を現した彫刻も、高い位置から見られます。
さらに、足場の3階部分からは、阿蘇山の絶景を眺めることができます。
見られるのは、すべて、素屋根の解体工事が始まる前の、今だけです。
ここまで来たことに、感謝を
おととし阿蘇に来たばかりの記者は、その貴重さに圧倒され、ピカピカの屋根や、細かい意匠の彫刻に目をとられていたところ、ある神職が、こう話してくれました。
「地震のとき、ゼロですらない、マイナスの状態から、ここまで復旧していくのを見続けてきたから、こうして立っていること自体に感動するし、愛おしい」
まさに絶望に近かった状態から再び元の姿に戻った楼門の姿は、見る人に勇気を与えてくれるのではないでしょうか。
【阿蘇神社楼門の特別公開】
3月5日~12日(8日間)
午前9時30分~午後4時30分
工事用の通路を使った見学はガイド同伴で、
当日の受け付けが必要。