台湾に行ってみた　あふれる食の魅力

　春節前　アメ横のようなにぎわい

台湾の中心都市、台北を訪れたのは、旧正月の春節前の1月16日、ちょうど年末にあたる時期です。春節を祝う料理の食材や、飾り物がそろう「台北年賀大街」は、まるで上野のアメ横のように買い物客でごったがえしていました。

飾り物を扱うお店では、今年のえとである干支の「兎」うさぎ）の飾り物や、提灯などが所狭しと並び、どれもきらびやかで華やかなものばかりです。台湾ではこれらを家の中や外に飾って新年を祝うそうです。

日本と同じようなお年玉文化は台湾にもあります。違いは春節を迎える前の年末にお年玉が配られるところです。ポチ袋にあたるお年玉を入れる袋は、「紅包」（ホンパオ）と呼ばれ、縁起のいい赤色をしています。飾り物もお年玉も「新しい福を得られますように」という願いが込められているそうです。

B級グルメであふれる「夜市」　

台湾と言えば「夜市」が有名です。夕方になると屋台が建ち並び、様々なB級グルメが味わえます。普通の飲食店は午後8時ごろには閉まってしまいますが、夜市は午後11時ごろまで開いています。毎日取材で遅くなり、腹ぺこになった私たちにとって夜市は非常に助かりました。

小ぶりのかきを鉄板で焼き、卵とからめて日本のお好み焼きのように仕上げた「かきオムレツ」。甘辛いソースをかけて食べると、ごはんにもお酒にも合う一品。1個およそ200円ほどでした。

ごはんの上にトロトロの豚肉が乗った「魯肉飯」（ルーローハン）。そしてスープは豚の脳みそが入ったものを注文しました。スパイスのきいた豚肉のいい香りが食欲をそそります。豚の脳みそのスープは、魚の白子のような食感でなめらかな歯触りで、見た目とは違って美味しい一品でした。

近年、台湾では共働きの家庭が増えていて、外食をする頻度が高いといいます。夜市は各地で開かれていて、観光客だけでなく、地元の人も多く利用します。取材した台北中心部にある「寧夏夜市」では夜遅くまでにぎわっていました。

朝ごはんも外食

台湾では朝食も外食ですます人が多いようです。街角では朝7時半ごろからおかゆを買い求める人や、スーツ姿で麵をすする人も見られました。

台湾のおかゆは、具をトッピングで選べます。揚げパンや肉そぼろ、卵やシラス、ピータンなど乗せるとボリューム満点です。

ニラ、春雨、卵が、小麦粉の皮で包まれ日本でいえば「お焼き」のような「韭菜盒子」（チョイツァイホーツ）。それにザーサイと豚肉の千切りが入っていて、独特な香りと酸味が特徴の「榨菜肉絲麵」（ザーサイロースー麵）を朝食にいただきました。

台湾スイーツの定番

取材の疲れをいやしたのは「豆花」（トーファー）。街の通り沿いや駅の地下にもお店が点在するなど、台湾では王道スイーツです。豆花は、シロップの中に豆乳をにがりで固めたものと、甘い小豆や緑豆などが入ります。トッピングでは必ず「芋圓」（ユーユェン）を入れてもらいました。芋圓はタロイモを練って作る餅のようなものです。１月の台湾は暑い日も寒い日もありますが、豆花は氷の入った冷たいものと温かいものがあり、その日の天候によって選ぶことが出来ます。

今回、台湾に来てみると、みなさんマスク姿ではありますが、どこもにぎやかで熱気を感じました。毎日2万歩も歩く取材でしたが、その活力をくれたのは台湾の食だったことは言うまでもありません。皆さんも台湾に訪れる機会があれば、いろいろ挑戦してみてください。

動画はこちら（ほか、うまいものがあります）