地震 高知で避難生活 車中泊 どうすれば
- 2024年02月21日
先月1日の能登半島地震。被災地ではいまも、およそ13,000人の人が避難生活を送っています。その支援や避難所の運営などのサポートを行った高知市の高知防災プロジェクト代表、山崎水紀夫(やまさき・みきお)さんに、南海トラフ巨大地震に備える高知県でも生かせる避難生活のポイントを聞きました。(高知局アナウンサー 千野秀和)
【山崎水紀夫さん プロフィール】
元高知県庁職員で、そのかたわら東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨など26の災害で被災地を支援。高知県ボランティア・NPOセンター運営委員長、内閣府の防災ボランティア活動検討会委員なども務め、県内で防災研修も行う災害支援のスペシャリスト。
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避難所で見えた課題 “ゾーニング”
山崎さんは能登の避難所を訪れ、その状況から改善点、つまりいざ高知で災害が起きたときも気をつけたいことがあるそうです。それが「ゾーニング」。避難生活を過ごすさまざまな「空間の使い方」が重要だと指摘します。
こうした避難所で避難生活を送る人がいる一方、多くの人が今も続けている「車中泊」。
まず避難所のポイントです。
山崎さん)
輪島の避難所は、通路が狭い印象。その分プライベートな空間に干渉しやすく、互いに気を遣うことが多くなってストレスの原因になりかねません。
能登では、普通に車で避難してきただけの人と、車中泊をしている人が仕分けられていませんでした。
敷地の左右で分けるなどすれば「こちらは車中泊だから支援が必要」と特に医療支援がスムーズにできます。
なるべく早い段階で仕分けないと、移動してもらうのも大変だし、便利な場所と不便な場所があるのでトラブルになりかねず、事前に仕分けの意識を持つことが大切です。
また、避難所のトイレやゴミ捨て場をどこに設定するか、ペットの空間の確保なども被災者の心身にかかわる大切な要素。
災害が起きる前からゾーニングを意識して、いざという時どうやって整理するかを考えておくべきです。
ここでご紹介したいのが、山崎さんが考案した「避難所・車中泊比較シート」。
それぞれ自分がどのくらい快適、安心だと考えるか点数でつけると、いざという時自分が避難所か車中泊どちらを選ぶかがわかります。山崎さんは防災研修や講演会で、それに応じた備えをするよう伝えています。
また、車中泊を選ぶという方には、こちらも。
NHKが制作している災害時の注意点などをまとめた「防災これだけは」。
車中泊を続けるとエコノミークラス症候群になるおそれがあります。それを防ぐためにおすすめの運動です。先月私が被災地の様子をお伝えした際にも、この画像を使って呼びかけを行いました。是非、ストレッチ代わりに試してみてください。
ほかにも、NHKでは災害に備えるための知識をまとめています👇
中山間地域の孤立
そして能登半島地震で顕著だったのが「中山間地域の孤立」。
地震と津波で道路が寸断し多くの地域が孤立。特に中山間地域で状況把握や支援活動に影響を及ぼしました。
高知県内でも南海トラフ巨大地震で孤立への危機感を持つ地域は少なくありません。
山崎さんは以前から「中山間地域の孤立」を災害発生時の課題と考え、各地で勉強会を開催しています。
能登の地震後、先月中旬にも仁淀川町下名野川(しもなのかわ)地区で開催。
山崎さんが考える、孤立に今から備えるためのポイントをまとめました。
能登半島地震で、改めて揺れによる被害の大きさを目の当たりにした今、南海トラフ巨大地震への備えを自分事として考え、周囲の人とも話し合っておきたいですね。