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龍河洞で1億7500万年の時を体感! 香美市土佐山田町 神母ノ木

シリーズ「風景印でめぐる高知」その3
  • 2024年01月11日

郵便局の風景印を通して、その土地ならではの魅力をお届けするシリーズ。
今回は高知県香美市土佐山田町にある神母ノ木郵便局の風景印です。

「神母ノ木」って何と読む?

風景印の中央に書かれている「神母ノ木」。これ「いげのき」と読むんです。この印を発行している郵便局がある地域の地名です。とても不思議な読み方ですよね。神母(いげ)とは稲の神様や田んぼの水の神様で、高知特有の言葉とのこと。この地には神母神社があり、境内に楠の大木があります。高さは約15m、樹齢は推定500年以上。香美市の文化財に指定されています。

神母神社の楠の大木

弥生人の暮らしの跡が残る洞窟・龍河洞

「神母ノ木」の文字の後ろに描かれているのは、この地域の名所、龍河洞(りゅうがどう)です。外国からの観光客も含め、多くの人々が訪れる人気のスポットです。

龍河洞は1億7500万年もの年月をかけてできた全長約4kmの鍾乳洞。国の天然記念物に指定されています。洞内には様々な形の鍾乳石が連なり、最も大きいものは高さが11m、15万年かけて作られたものもあります。わずか1cm伸びるのに、なんと約100年もかかるのだそうです。

洞内の気温は年間を通じて18℃前後。約2000年前には弥生人がここで生活していたとみられています。その証拠の一つが、風景印の右側に描かれているような弥生式土器です。龍河洞ではこうした土器がいくつも発見されています。その中で最も有名なものの一つが「神の壺」です。

「神の壺」

写真中央にある、一見、石のように見えるフラスコのようなもの。これがその壺です。地下水に含まれる方解石に包み込まれ、長い年月の間に鍾乳石と一体となったものだそうです。
実は、新たな「神の壺」を作ってみようという面白い実験が進行中です。それがこちら。

土器の壺はどのくらいの年月で鍾乳石に覆われるのかー。昭和12年、洞内にこの土器が置かれました。それから86年あまりが経ちましたが、鍾乳石と一体化した「神の壺」の域に達するまでには、まだ少し時間がかかりそうです。

探検気分を味わえる人気ツアー

龍河洞のプロジェクションマッピング

最近人気なのは、ちょっとした探検気分を味わえるイベントやツアーです。
この冬には、洞内の明かりをすべて消して、懐中電灯だけで見学できる夜間イベント「龍河洞ナイト」が開催されました(2024年1月3日で終了)。中では暗闇の中に大型のプロジェクションマッピングも映し出されたそうです。
ほかにも、頭に付けたヘッドライトの明かりを頼りに、岩の間をはって進んだり、狭い隙間を抜けたりして見学する、約90分の冒険コースも人気だそうです。

地域の人々の手で再開したキャンプ場

神母ノ木周辺では、新たなスポットとして豊かな自然を生かしたキャンプ場が注目され始めています。その一つが、この地域を流れる物部川の支流沿いにある日ノ御子(ひのみこ)河川公園キャンプ場です。

日ノ御子河川公園キャンプ場

一度は閉鎖していましたが、地元で立ち上がったボランティアチームが河川の清掃や整備を進め、いまでは家族連れなど多くの人々が集まる場所となりました。アウトドアシーズンには釣りやバーベキューをしながらキャンプを楽しめます。そして、特に人気となっているのがかき氷なのだそうです。

Photo credit :日ノ御子キャンプ場

大きくて色鮮やかなかき氷はSNS映えもしそうですね。ただし、7月、8月の期間限定とのことですので、食べてみたい方はもう少しお待ちください。

神母ノ木郵便局の風景印には、太古の歴史、雄大な自然を体感できる香美市土佐山田町の魅力が描かれていました。次回の「風景印でめぐる高知」もぜひご覧ください。

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