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部員2人の華道部 四国大会優勝の軌跡

  • 2023年10月03日

高校生が生け花の出来栄えなどを競う「花いけバトル」。
その四国大会で優勝した高知県立岡豊高校華道部に密着しました。
(高知放送局キャスター 矢島夏)

「花いけバトル」って?

高校生が生け花の技術を競う「全国高校生 花いけバトル」。

2人一組で出場し、前半の1人が作品の土台を作り、後半の1人が作品の仕上げを担当します。
競技時間はわずか5分。生け花の技術だけではなく、瞬時の判断力やスピード、チームワークが求められます。

大会は、花と木の組み合わせや全体の構成などを評価する「作品点」と生け方の丁寧さやチームワークの良さなどの「表現点」を合計した点数で競います。

高知県立追手前高校・芸術ホール

愛媛、徳島、高知の3県による四国大会が9月17日、高知県立高知追手前高校・芸術ホールで開催され、合わせて24チームが出場しました。

県立岡豊高校華道部に密着

チーム紹介では、大きな声で「がんばります!」と宣誓しました

今回は、以前から取材している県立岡豊高校華道部の森光莉央さんと割田紗矢さんとのチーム「グロリオサ」に密着しました。

大会前の今の気持ちは、どうですか?

森光さん

ものすごく緊張しています。私たちの課題である流木をうまく使いたいです。あとは、割田さんと楽しみながら頑張ります!

割田さん

緊張しすぎて、倒れないようにします・・・。

緊張の1試合目

1試合目は、去年の四国大会で優勝した高知学芸高校チーム「はるまき」と対戦です。

前半を担当するのは、森光さん。

流木や枝を使って、土台を作ります

バトンタッチをして、後半を割田さんが仕上げていきます。

すべての植物が器の水につかるように、しっかりと生けていきます

完成した作品が、こちらです!

流木や高さのある木の枝を使用し、ダイナミックな作品を作りました。(森光さん)

チーム名である赤いグロリオサを使い、その赤に合う黄色の花を選びました!また、流木と木の枝を使って斜めのラインを意識しました。(割田さん)

果たして、結果は・・・?

   県立岡豊高校(左)・高知学芸高校(右)

県立岡豊高校チーム「グロリオサ」の勝利です!

このあと、第1試合を勝ち進んだ上位4チームが準決勝に進出します。

県立岡豊高校 チーム「グロリオサ」は・・・?

上位3位で準決勝進出です!予選を勝ち進んだチームがトーナメント形式で戦います。

準決勝進出、おめでとうございます!今の気持ちを教えてください!!

割田さん

初めて準決勝に行けたので、すごくうれしいです!緊張しますが、決勝に進めるように最後まで頑張ります。

森光さん

準決勝進出はうれしいけど、すごく緊張しています。でも、最後まで楽しく生けられるようにしたいです!

初めての準決勝

準決勝は上位2位の愛媛県立今治西高等学校伯方分校のチーム「伯方C」と戦います。

準決勝は、1人ひとつの作品を同時に作成していきます。

また、審査は個人ではなくチームに対して行われるため、2つの作品の統一感なども重要になります。

ゴングの音で競技が始まり、森光さんがはじめに手にしたのは流木です。白いパイプ状の器をバランスよく立てかけています。

日頃の練習では使わない器に苦戦しています

一方、割田さんが走って取ってきたのは、パンパスグラスという植物です。

ススキのような見た目の植物で、秋らしさを表現しようとしています。

今回もグロリオサを使用しています!
細い枝を流木に巻きつけたりと細部にもこだわります

完成した作品が、こちら。

森光さんの作品
割田さんの作品

今回も、2人で秋らしい色の作品を作ろうと決めていました。秋らしさを出せるオレンジ・黄色の花と、それに合う青など寒色の植物を差し色にしながら生けました!(森光さん)

流木やパンパスグラスなど高さのある植物を使用して、印象に残るような迫力のある作品を作りました!あとは、オレンジ系に寒色を合わせるという森光さんのセンスの良さに助けられました。(割田さん)

あまり使い慣れていない器に戸惑っていた2人でしたが、配色のセンスが抜群な森光さんと生け花への知識が豊富な割田さんの力が合わさり、すてきな作品となりました。

果たして、準決勝の結果は・・・

今治西高等学校伯方分校(左)・岡豊高校(右)

岡豊高校の勝利で、決勝進出です!

深呼吸をして心を落ち着かせ、いよいよ決勝に挑みます。

最後のバトルへ

決勝は、個人でひとつの作品を1人ずつ作っていきます。審査は個人に対して行われ、2人の合計得点によって勝敗が決まります。

まずは、森光さんが生けていきます。

作品の横幅を広げようと、流木を器の横に置きました。

2人にとって課題であった流木をうまく作品に生かしています。

その後も、明るい印象の作品になるように、赤や黄色の花を着実に生けていきます。

作品の隅々までチェック!

完成した作品が、こちらです。

今回も黄色の花や赤色のグロリオサを使いたかったので、それに合うオレンジの花や緑の植物を取り入れました。あとは、折れている枝や枯れている花を生けないように細かいところまで確認しました!(森光さん)

森光さんの得点は・・・?

      高知学芸高校・県立岡豊高校(森光さん)

対戦相手に、21点もの点差をつけての勝利です!

そして、勝利の行方を決める最後のバトルです。

後攻の割田さんが生けます。

高さのあるアセビの枝をバランスよく生けました。

森光さんに見守られながら、使いたい花に向かって割田さんも全力疾走!チーム名であるグロリオサも忘れません。

割田さんが生けた、チーム「グロリオサ」最後の作品がこちら。

背の高い枝が転倒しないか不安でしたが、バランスよく置くことができました。そのおかげで大胆な作品にすることができて、良かったです。
そのほかは、チーム名であるグロリオサをたくさん生けて、赤や黄色を中心とした明るい作品にしました。

最終試合、割田さんの得点は・・・?

     高知学芸高校・県立岡豊高校(割田さん)

割田さんの作品は、233点。

チームの合計得点は、高知学芸高校452点・岡豊高校472点。

「全国高校生 花いけバトル」四国大会の優勝は、岡豊高校チーム「グロリオサ」です!

優勝した今の気持ちを教えてください。

森光さん

私にとって2回目の大会で、まさか優勝できるなんて思っていませんでした。すごくうれしいです!そして何よりも、割田さんと最後まで楽しく生けられたのが良かったです。

割田さん

森光さんと思い出に残るような大会に出来て、よかったです。あと、私が1年生の時、華道部の先輩たちが手にした四国大会優勝という文字にずっと憧れ続けていたので、今こうして優勝出来たことが本当にうれしいです!

きょうは、どのような思いで大会に臨みましたか?

割田さん

お互い準決勝まで進めたのが初めてだったので、優勝するために全力で挑もうという気持ちはありましたが何よりも2人で楽しく大会に臨もうとしました。

森光さん

私は、競技に挑む気持ちが花の作品に影響すると信じています。そのため、ものすごく緊張しましたが、楽しむことを一番に頑張りました!

現在、岡豊高校華道部の部員は2人ですが、今後増えそうですか?

森光さん

はい!四国大会を優勝したので、増えるのではないかと思います!

割田さん

私も、華道部存続のためにも増えて欲しいです!すごくアットホームな部活なので、一緒に楽しく生け花をしましょう!!

優勝した岡豊高校チーム「グロリオサ」は、来年2月に香川県で開催される全国大会に出場します。

もともと仲のいい私たちですがチームワークの良さを強みに、全国優勝を目指して頑張っていきたいです!(森光さん・割田さん)

  • 矢島夏

    高知放送局 キャスター

    矢島夏

    今回の取材を機に、生け花をはじめてみました!色や大きさのバランスを良く生けられるように頑張ります。

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