粘土作家あきやまひろみさんの挑戦!牧野富太郎博士の顔作り
- 2023年04月12日
粘土作家あきやまひろみさんの挑戦!牧野富太郎博士の顔作り
高知の名物を主なテーマにアクセサリー雑貨を製作している高知市の粘土作家「あきやまひろみ」さんが、キャリア16年目の今年(2023)、初の個展を開くことになりました。
新作として、春から始まったドラマ「らんまん」の主人公のモデル、高知出身の植物学者、牧野富太郎博士をモチーフに作品づくりに取り組むことになりました。
新作に挑戦するあきやまさんに密着取材しました。
大皿にいろいろな料理が豪快に盛り付けられた土佐の郷土料理「皿鉢料理」。
愛嬌たっぷりの土佐犬に、高知を代表するフルーツの一つ「土佐文旦」、高知生まれのお菓子やジュース。これら全部、樹脂粘土という工作用粘土で出来たわずか数センチの手のひらサイズのかわいらしい雑貨やアクセサリーです。
高知の名物をテーマにした手づくりの温かみとユニークなモチーフで人気です。
作っているのは 高知市の粘土作家 あきやまひろみさん
もともと趣味で始めた彼女が、作家になったキッカケも高知ならではです。
よさこい祭りで、自分の作ったアクセサリーを身に着けて踊ったところ、他の踊り子さんたちの目に留まり、「私にも作って!」「こんなの作れない?」と毎年のように依頼され、作家となります。
キャリア16年目の今年(2023)、初の個展を開くことになり、新作として、高知出身の植物学者、牧野富太郎博士の粘土作品を作ることにしました。
「春から連続ドラマも始まり、地元の偉人、牧野博士をはじめ、高知県が全国的に注目される中、一緒になって地元を盛り上げたい」とモチーフに選びました。
イメージを膨らませるため、高知市五台山にある、県立牧野植物園を訪れ、牧野博士が発見した花や命名した草花を見て回ります。
あきやまさん、牧野博士に挑戦する今回の新作は、柔和な表情の博士が写真からそのまま飛び出してきたように、白黒写真のイメージで作ることに決めました。
使う粘土は・・・
自宅のアトリエで手に取ったのは、白と黒の粘土のみ。その2つを混ぜ合わせ作った明るさの異なる3色のグレーを笑顔のポイントとなる顔のシワや影、輪郭を描くために使います。
目、鼻、口など、厚さわずか1ミリの薄く伸ばした粘土のパーツを金太郎飴のように順番にくっつけていき、途中、シワや影にはグレーを挟みこんで出来上がりの顔を想像しながら組み上げていきます。
強く押してしまうと顔の表情が崩れるため、ゆっくり指の摩擦だけで、形を崩さないように時間をかけて粘土同士を馴染ませていきます。
ちょっと表情が変わってきてますね、難しいですよ、やっぱり。中身がイメージ通りにできているのか、どきどきしながら粘土を伸ばしています。ふふふ・・・
いよいよ完成へ・・・
作品づくりに取り掛かって4時間。帽子や服も付け加え、ようやく新作、牧野富太郎博士の完成です。
個展には、つくりためた300点の作品が並べられ、新作の牧野博士の顔のまわりには、植物園でスケッチした満開の桜の花が添えられて、華やかに仕上がっていました。
ニコニコした牧野博士のあの笑顔の先には何があるかと考えたら、やはり大好きなお花だなと思い、桜に囲まれた牧野博士に仕上げてみました。
個展に訪れるお客さんの反応は・・・
よく似てます。微笑んでる感じがとてもいいです。欲しいなぁ。
あきやまさんは・・・
まだまだ知らない高知のモノ、これから新しく生まれてくるモノもたくさんあると思うので、それを探して研究して、手にとってもってもらう人たちを笑顔にさせるような作品をこれからも長く作っていきたいと思います。
あきやまさんの手からこれからも高知愛たっぷりの粘土作品がうまれそうです。
あきやまさんは最後に次のように話していました。
「私も、好きなことに夢中になれた牧野富太郎博士のように、ずっと好きな粘土作品作りに熱中し続けられたら幸せです。そして、将来は、牧野博士に負けないくらい笑顔の素敵なおばあちゃんになれたらいいなぁ。」
なれますよ、きっと!