【患者体験談】天気による体調不良 めまい・頭痛

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片頭痛頭が痛いめまいがする脳・神経
めまいに悩む女性
頭痛に悩む女性

原因不明の頭痛とめまい

児童福祉の仕事をしているAさん(24歳)は、高校2年の冬から、突然「めまい」が起きるようになりました。めまいは数時間でおさまることもあれば、1日中続くこともありました。Aさんの症状は次第に悪化し、「頭痛」も起きるようになりました。

「頭の片側が痛くなる時もあれば、頭全体が締め付けられる感じになるときもありました」

まさか天気が原因?

Aさんは、脳神経外科・耳鼻科・内科・循環器内科・心療内科と、病院を5か所回って検査を行いましたが、結果は異常なしで原因はわかりませんでした。そんな状態が2年続いたある日、Aさんは体調が悪くなる時に傾向があることに気づきました。

「天気がだんだん悪くなってきた時に、めまいと頭痛が起こりやすいんです」

もしかしたら自分の体調不良が天気と関係があるかもしれないと思ったAさんは、痛みと天気の関係に詳しい専門医に診てもらうことにしました。

痛み日記で傾向を知る

まず医師から勧められたのが「痛み日記」を書くことでした。「痛み日記」とは、その日の天気・気圧・温度、そのときの自分の体の状態、痛みの程度、運動の有無、睡眠の内容などを書くというものです。それを1か月続けます。
すると自分の体調がどういう天気の時に悪くなるのか見えてくるといいます。1か月痛み日記を書き続けた結果、Aさんは、天気が引き金となって起きためまい・片頭痛だと診断されたのです。

「なんで頭痛が起きるんだろうと不安でしたが、理由を知って安心しました」

天気による体調不良とは?

雨が降りそうなとき、雨が上がるとき、温度差があるときなど、天気が変わる時に体調が悪くなることがあります。いわゆる“気象病”です。病という文字が使われていますが、これは病名ではなく病態のことを言います。主な症状は、頭痛・めまい・関節痛・けん怠感などです。もともと持っていた病気や症状が、天気によって引き起こされると考えられています。

内耳、前庭神経、三叉神経

天気による体調不良の引き金は?

天気による体調不良の引き金と考えられているのが、気圧・温度・湿度などの変化です。私たちの体の中にはそれらを感じ取るセンサーのようなものがあります。例えば、耳の奥にある「内耳」は、「気圧センサー」に例えられます。内耳には体のバランス感覚を保っている「前庭神経」があります。天気の影響を受けやすい人は、その前庭神経が刺激されるとめまいが起こると考えられています。また、その周辺には痛みや温度を感じる「三叉(さ)神経」があります。三叉神経が刺激されると、ある物質が放出されて炎症が起き、脳の血管が広がり、頭痛が起きると考えられています。

天気による体調不良 治療は?

Aさんが医師から勧められたのは、漢方薬の「五れい散」と「抗めまい薬」でした。この2つの薬は、頭痛やめまいを起きにくくする効果があるといいます。さらにAさんは、医師から「耳の運動」を教えてもらいました。耳の運動は、耳周りの血行をよくすることでめまいなどを起きにくくすると考えられています。

「耳周りの血行が良くなってポカポカする感じ。診察を受け、薬も減って、今は悪い時だけのむ感じです。安心して暮らせるようになりました」

天気による体調不良のベストチョイス

自分の体調不良が、もしかしたら天気の影響かなと思ったら、「痛み日記」を1か月書き続けてみてください。天気の影響があるようだったら、主治医に伝えてください。

耳の運動

(指導:愛知医科大学病院 客員教授 佐藤 純さん)

耳の運動で耳周りの血行をよくし、耳のツボを刺激することで、めまいなどの症状の緩和や予防が期待できます。手軽にできる運動なので、1日3回程度、続けましょう!

※耳に痛みがある人は、主治医に相談してから行ってください。

①耳の上を軽くつまみ、上に5秒引っ張ります。

耳の上を軽くつまみ、上に5秒引っ張る

【ポイント】
引っ張る強さは「痛気持ちいい」くらい

②耳の下を軽くつまみ、下に5秒引っ張ります。

耳の下を軽くつまみ、下に5秒引っ張る

③耳の横を軽くつまみ、横に5秒引っ張ります。

耳の横を軽くつまみ、横に5秒引っ張る

④耳をつまんだままゆっくりと後ろに回します。5回。

耳をつまんだままゆっくりと後ろに回す

⑤耳の上と下をくっつけて5秒キープ。

耳の上と下をくっつけて5秒キープ

⑥手のひらで耳全体を覆ってゆっくりと後ろに回します。5回。

手のひらで耳全体を覆ってゆっくりと後ろに回す

この記事は以下の番組から作成しています

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