不安をやわらげる効果に期待!マインドフルネスとは

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東洋医学セルフケア・対処うつ状態が続くこころ

仏教の瞑想(めいそう)法をベースに編み出された「マインドフルネス」。いま、世界中でブームになっているメンタルケアです。瞑想(めいそう)などを行い、心を落ち着けることで、ストレスの軽減や集中力アップなどがもたらされるといいます。近年、精神疾患の治療に使われたり、学校でのストレスケアに利用されたりするなど、様々な場面で導入されています。


マインドフルネス タイトルイメージ画像

マインドフルネスの効果とは

なぜマインドフルネスには、メンタルケアの効果があるのか。
アメリカ・ハーバード大学の脳科学者、サラ・ラザーさんが行った研究で明らかになってきました。

「マインドフルネスは、不安だけでなく、うつ病の改善やトラウマの軽減など、様々な効果があります」(ラザーさん)

研究では、マインドフルネスを行う前と後での、脳の活動の変化を調べました。

その結果、不安を生み出す扁桃体(へんとうたい)と呼ばれる部位の過剰な活動が、マインドフルネスを行った後では収まっていました。


マインドフルネス前後で比較した「脳の扁桃体」の状態 CG

つまり、マインドフルネスは、脳の働きを改善させることが明らかになったのです。

「いま私たちは、新型コロナウイルスによって、多くの不安や恐怖にさらされていますが、マインドフルネスは、そんな不安な気分を落ち着かせるのに、とても役立つのです」(ラザーさん)

専門家が伝授!マインドフルネス

不安の軽減などが期待できるマインドフルネス。自宅でも簡単にトライすることができます。

精神科医と連携し、数多くのメンタル疾患の患者を救ってきた方法を、専門家の長谷川洋介さんに教えていただきます。

「私たちは、未来のことを考えると不安になる。過去のことばかり考えてしまうと鬱々(うつうつ)としてしまう。人間の性質として、そうなっているんですね。そこでマインドフルネスでは、心を“今”にフォーカスし、不安やうつ状態の時間をできるだけ減らしていくと、気持ちも楽になっていく、という指導をしています」(長谷川さん)

呼吸の瞑想(めいそう)

心を"今"に向け、意識を集中する瞑想(めいそう)として、「呼吸の瞑想(めいそう)」をご紹介します。


長谷川さんがマインドフルネスの瞑想(めいそう)を行っているところ

  1. 背筋を伸ばして、少し骨盤を立てるような感じで座ります。目は軽く閉じてください。
    ※イスに座って行ってもよいです。


  2. 初めは呼吸に注意を向けてみます。
    「吸う」呼吸と「吐く」呼吸、自分の体がしている呼吸を感じ取りましょう。
    ※呼吸を感じ取る場所は、鼻先の空気の入り口でもいいですし、お腹や胸の辺りが膨らんだりへこんだりする感じでもいいです。

  3. 注意がそれても「呼吸」に戻しましょう
    ※呼吸に注意を向けていても、考えごとや、雑念が浮かんだりするかもしれません。注意がそれたことに気づいて、再び「呼吸」へと注意を戻しましょう。

1日2回、朝起きたあとと夜寝る前に行うことがオススメです。時間は1回5分でも構いませんが、慣れてきたら30分ほど行ってもよいです。

※精神疾患のある方は、主治医と相談の上、専門家の指導のもとで行ってください。

この記事は以下の番組から作成しています。

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東洋医学ホントのチカラ「今こそ元気に!健康長寿SP」

2021年2月27日(土)午後7:30~[総合]