大人のてんかんの特徴とは?原因・症状・治療法を解説

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成人のてんかんの原因

成人のてんかんの原因

脳に病気が起こったり、傷がついたりして、脳の複雑なネットワークになんらかの障害が起こることが原因です。成人の場合、多いのが交通事故などによる「外傷」です。脳が部分的に傷つき、一部がうまく働かなくなり、発作が起こります。ほかの原因としては、いろいろな病気などによって脳に炎症が起こる「脳炎」。また中高年の人では「脳卒中」も原因になります。ほかにも「脳腫瘍」によって発作が起こることもあります。

成人のてんかんの症状

てんかん 焦点発作の例

発作は、脳のどこで発作が起きたかによって、症状が変わってきます。脳の意識をつかさどる領域に病気があると、ぼんやりするという症状が起こります。脳の運動をつかさどる部分で発作が起これば、手や足など体の一部分がピクンと動いたりします。この場合、患者さんは意識がある場合がほとんどです。脳の感覚をつかさどる部分で発作が起これば、手足がしびれたり、何か聞こえたり、見えたりすることもあります。
このように、てんかん発作の症状はさまざまですが、一人の人に色々な症状の発作が起こるわけではなく、いつも同じ症状が起こるとされています。

成人のてんかんの治療法

抗てんかん薬治療 経過

成人のてんかんの場合、主な治療法は、発作を防ぐ「抗てんかん薬」と「手術」です。最初の薬で、5割から6割の人は、発作のない状態になります。それが効かず、2番目の抗てんかん薬にした場合、さらに1割から2割の人は、発作がなくなります。それでも発作がおさまらない場合を「難治てんかん」といいます。その場合、2種類以上の薬の服用か、脳の外科手術を検討します。

抗てんかん薬による治療

「抗てんかん薬」は、脳の神経細胞で起こる過剰な電気的興奮を抑えるため発作を防ぐ働きがあります。治療のガイドラインというものがあり、医師は、発作のタイプ、年齢、性別などから薬を選択します。

例えば、焦点発作の薬では、最初に使うことが勧められている第一選択薬にはカルバマゼピン、ラモトリギンなど5種類があります。薬の効果はあまり差がないので、副作用を考慮して薬を選ぶことが重要です。薬の副作用の中には、もしも妊娠した場合、胎児の病気につながる危険性があるものもあります。

最新の研究によって、将来、妊娠の可能性がある女性の場合、レベチラセタム、ラモトリギンが胎児への影響が最も低いと考えられており、若い女性の抗てんかん薬として推奨されています。

てんかん 焦点発作の治療薬

薬で発作が治まらない場合、手術という選択肢が検討されます。主な手術法が「てんかん焦点切除術」と呼ばれるものです。てんかん焦点切除術は、脳の過剰な興奮が起こる場所だけを切除する手術で、焦点発作の人に行われる手術です。

効果は約75%の人で発作がなくなるといわれています。一方、死亡、失語、半身不随などの大きな後遺症が残ることは約0.2%といわれています。こうした手術のメリットとデメリットを、きちんと医師から説明を受けた上で、患者さんやご家族が判断することが大切です。

パープルデーとは

てんかん パープルデー

「パープルデー」は、毎年3月26日に世界中で行われている、てんかんの啓発キャンペーンです。スローガンは、「てんかんをもつ人を、ひとりぼっちにしない」。てんかんは誰にでも起こりうる病気ですが、てんかんに対する無理解や偏見はまだまだ多く、患者さんの中には、人には打ち明けられない悩みを持つ人が多くいます。

建物を紫色にライトアップしたり、紫のものを身につけて応援のメッセージをかざしたりしながら、てんかんの正しい情報を伝えるキャンペーンが全国各地で行われています。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年7月号に詳しく掲載されています。

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