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【被災地の声】輪島市 宮脇瑞月さん「受験は3月 絶対避けられない」

  • 2024年01月18日

 

2024年1月1日に発生した、石川県能登半島地震。

疲れが出て体調が悪化する人や、避難生活の中で亡くなる人も相次いでいます。

そんな大変な状況の中で取材にこたえてくださった被災者の方たちがいます。

高校受験を控えた輪島市の宮脇瑞月さんの声です。

輪島市 集団避難の中学生が白山市へ

輪島市は市内の中学生約250人に、白山市にある県の施設へ集団で避難してもらうことになり、17日、施設に向けたバスが出発しました。

高校受験を控えた中学3年生の宮脇瑞月さんは受験勉強に取り組むため、集団避難を決めました。

出発を前に瑞月さんは、思いを話してくれました。

宮脇瑞月さん

宮脇瑞月さん
「ちょっと不安はあります。ある程度施設は整っていると思うので大丈夫かなと思います。頑張らないとなと思います」

出発するバスを両親が見送りに来ました。

父・学さん
「『頑張ってこい』としか言いようがない。こっちにいても風呂もないし。成長して帰ってきてほしい」

「受験は3月 絶対避けられないので」

宮脇瑞月さんと両親は、出発前日の16日、準備に追われていました。

息子があわただしく出発することになり、母親の由紀子さんは複雑な心境を話していました。

母・由紀子さん

母・由紀子さん
「14日に荷物準備してくださいと言われてあした出発することになって、家族の時間は3日ぐらいしかなくて。この子と離れたことがないので、でも受験生なんで頑張るしかないし、私たちも頑張るしかないです」

一方で、もしもの時のことも、考えてしまうと言います。

「まだ余震があるので、うちで何かあったらこの子1人になる。そう思ったら心配です」

揺れ動く中で、それでも送り出すことに決めた理由については、次のように話していました。

「息子はずっと友達とも会えなくて『あの子どうしとるんかな』とか連絡ができる子とはしていたみたいですが、『あの子の家、火事で燃えてんて』とか、そういう情報ばっかりこの2週間いろいろ入ってきていたので」

「やっとあした仲間に会えるのも楽しみにしとる部分もあるし、あと数か月で受験という不安もあるやろし、ここにいても衛生的にもよくないし、行ってくれた方が元気に少しの間だけでも快適に暮らせるんかなと思います」

宮脇さん家族

そして、自宅を長期間離れるのを前に、瑞月さんは。

瑞月さん
「遠くのところに行くので不安なことはあります。大きな地震があってから2週間ぐらいたって、まだいつ来るか分からないので不安はありますけど、受験は3月にあって、絶対避けられないので頑張るしかないです」

「うれしそうな顔 初めて見ました」

17日からしばらく離ればなれの生活が始まります。

母親の由紀子さんは、バスに乗り込む前の息子の表情に、少しほっとした様子でした。

母・由紀子さんと父・学さん

母・由紀子さん
「うれしそうな顔をことしに入って初めて見ました。みんなといるほうがいいんかなと思いましたね。友達と久しぶりに会ってうれしそうで、あれなら大丈夫かなと思えたので、頑張ってきてほしいです」

父親の学さんは、連絡は家族のLINEグループでとり、お互いの無事を確認できればと話していましたが、この逆境の中で、瑞月さんが大きく成長してくれることを期待していました。

父・学さん
「(白山市までは)この状況だとだいぶ時間かかるので、親がしゃしゃり出て行ってもほかの人の邪魔になるだろうし、子どもも恥ずかしいでしょうし、これを機になるべく子どもの自由にさせてあげたいと思います。受験も行きたいところ行ってくれればと思います」

被災地の状況について、こちらから情報をお寄せください

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