ちょうどいいバランスのテレワークとは?トップランナー2023
- 2023年12月01日
こびとの靴屋の童話のように、人間の代わりに働いてくれるこびと、ただし機械仕掛けのメカこびとを、アナウンサーの松岡が探しに行く「職場で発見!メカこびと」のコーナー。
今回は、テレワークのトップランナーに認定された金沢市の職場に行ってきました。
(アナウンサー 松岡忠幸)
ちょうどいいバランスのテレワークとは?
11月はテレワーク月間ということで、テレワークトップランナー20団体が総務省から発表されました。東海北陸から唯一選ばれた会社が石川県にあるということで、こちらの職場に行ってきました。
ただ、テレワークって、コロナが落ち着いて、あまり聞かなくなりましたよね。
コロナ禍をきっかけにテレワークを体験して、便利な部分もあったけれど、いろいろと不便なところもあって結局やらなくなった職場も多いですよね。今回取材した会社は、そのちょうどいいバランスを見つけるトップランナーでした。
テレワーク社員も短い朝礼に参加
金沢市の問屋町に来ています。総務省が認めるテレワークのトップランナーの企業が、あの青い建物とその隣の建物から なる会社だということです。
コピー機などがずらりと並ぶ倉庫。 もともとは文房具を取り扱う会社でしたが、時代の流れとともに、オフィス機器の卸売りとシステム開発の会社になりました。
こちらは、オフィス。ちょうどいいバランスその1「テレワークの社員も毎朝短い朝礼に参加」。
こちらは自宅からオンラインで朝礼に参加するテレワークの社員14人。
特にシステム開発部門はテレワーク率が高いそうです。
出社しているのが9人。
出社してくるのは時間がかかりますが、気持ちを切り替えられます。
一方、自宅でのテレワークは、気持ちがなかなか切り替えられません。
そこで、朝礼にオンラインで参加して気持ちを切り替えます。
おはようございます。11月20日月曜日です。今週、木曜日が祝日ということもあって、ちょっと変則的な週になります。きょう一日、よろしくお願いします!
朝礼は1分程度であっという間に終わります。 ちょうどいいバランスです。
これで朝礼終わりですか?
はい。終わりです。とにかく顔を合わせることが第一かなと思っていますんで。
顔を合わせて、仕事に集中できそうな顔をしているのか、どうなのか。気難しそうな顔をしているな、みたいなところから、『どうしたの?』みたいな会話のきっかけになったりするので、やっぱり顔色を見るというのは結構大事だなと思っています。
テレワークに欠かせないメカこびとはNAS
テレワークに欠かせないメカこびとっているものですか?
いますよ!この奥の裏のすみっこに。
何か白い箱がありますね。これがメカこびと?これは何ですか?
一般的にはNAS (なす) と言われているものです。 いろんな社内のデータをここに入れると、自動的にクラウド上にあげてくれるというもの になります。
例えば、どういうデータですか?
よくあるのが、FAX機が受信したデータとか。
古いやり方の便利さも認める
FAX!?FAXがまだ来るんですか?
FAXはなかなかなくならないですね。
アップロードされたFAXのデータを、みんなで共有することもできるのがクラウドです。
しかし、あえて事務のFAX係だけにデータが届くようにして、担当者にわざわざチャットで
「FAX届いていますよ」と割りふることにしています。
こうしないと、紙のほうが便利だったということになりかねないそうです。
そもそもメールで送ってもらったら済む話じゃないんですか?
古くからの取り引き先だと、
「メールは無理。だったら電話にします。」と言われてしまうことも多いんです。
そして、電話よりもFAXの方がずっとましなので、FAXをうまくクラウド上で使うしくみを考える必要がありました。
なるほど。取り引き先がFAXを使い続けているうちは、使い続けるしかないんですね。
ただ、クラウドにアップロードされたFAXを、わざわざ事務の人が担当者に割りふるのは、かなりの手間ですよね。
クラウド上にありさえすれば便利というのは、そのとおりなんですけど。 今度は、情報に埋もれてしまうということにならないように気をつけなきゃいけません。
FAXが本当に便利なのは、紙に出てくる、その紙は1枚しか出てこない、その紙を持っていることが、その責任者である、というワークフローが、いつの間にかできているというところ。これが紙のメリットだったと思います。
それがクラウドに上がったとき、誰からでもコピーしたものが簡単に見られてしまうということが、メリットのようで、「誰かやっているだろう」になりがちなので、そこはまず、
誰がやらなきゃいけないのか?
誰が今、処理中なのか?
それは、もうこれ以上やらなくていいのか?
次、誰かに渡さなきゃいけないのか?
クラウドの機能をさらに使って、しっかりと管理していく必要があると思います。
若手社員は基本的に出社
そして、若手社員は、基本的に出社するきまりになっています。
こちらは、入社2年目、システム開発部門の若手社員。テレワークについて聞いてみると、意外な答えが返ってきました。
出社したほうが、やる気というか効率がいい部分もあって、身が引き締まります。
今は、むしろ出動したいというか、出てきたほうがやりやすいというのが僕はあります。
正直、現代っ子を勘違いしていました。出社したい!?
僕自身、もともとあまりしゃべるほうじゃないんですけど、営業の方がよくしゃべりかけてきてくれて、すごく楽しいんです。
僕は、世代もだいぶ違うので、僕が知らなかったこととかいっぱいお話を聞けるので、そういった部分はやっぱり楽しくて。まだまだおしゃべりしたいという気持ちになります。
システム開発部門の先輩だったら、リモート会議でおしゃべりする機会もたくさんあるだろうけど、別の部署の先輩と会話する機会って、たしかに出社するからこそできるものですね。
ちょうどいいバランスのテレワークでしあわせな職場に
テレワークをめぐっては、世界中で激しい議論がたたかわされている最中です。コロナ禍で一気にフルリモートだらけになった欧米のIT系職場でも、やっぱり出社を義務付けるといった動きも出てきています。テレワークにも出社にも、いい面と悪い面があるのは間違いありません。ちょうどいいバランスのテレワークをそれぞれの職場で探っていくしかないのかなと感じました。