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白山市の部品メーカーで発見!切削液を自動補充するメカこびと

職場で発見!メカこびと
  • 2023年08月29日

「かがのとイブニング」新コーナー「職場で発見!メカこびと」
「こびとの靴屋」の童話のように、人間の代わりに働いてくれるこびとがいたら便利ですよね。
人手不足が深刻な今、いろいろな職場で、機械やコンピューターで作られたメカこびとが活躍するようになっています。
そんなメカこびとを職場で生み出すコツを探ります。
白山市の部品メーカーでメカこびと1号を発見しました。
(アナウンサー 松岡忠幸)

部品メーカーでメカこびと1号を発見!

メカこびと1号を見つけた職場は、白山市の部品メーカー。
大きな工場が立ち並び、トラックが行き交う工業団地の一角にあります。

80人の従業員とメカこびとが力を合わせ、
建設機械の部品などを作っています。

極意は「当たり前が当たり前じゃない」

メカこびと1号開発メンバー、篠嶋健二(ささじま けんじ)さんに、メカこびと開発の極意を聞きました。

【メカこびと1号開発メンバー 篠嶋 健二さん】
当たり前だと思っていることが 当り前じゃないということに気が付けるっていうことが大事だなと感じましたね。

当たり前だと思っていた切削液補充作業

当たり前だと思っていたのが、こちらの作業。
今はすべてメカこびとがやってくれている作業を、特別に昔と同じようにやってもらいました。
特別な油を水で薄めた「切削液(せっさくえき)」を作って、工作機械まで運んで補充する作業です。

工作機械で金属を切ったり削ったりする時に吹きかけるための液体です。
摩擦熱を冷ますなど、重要な役割があります。

切削液の補充は1日1回程度ですが、補充が必要な機械は12台。
1回10分程度の作業時間だとしても、1日2時間を、この作業に使っていた計算になります。

また、切削液には油が含まれているため、床にこぼしてしまった場合は、ていねいに拭き取る必要があるなど、何かと負担の大きな作業でした。

切削液の補充はメカこびとが全部やってくれるように

切削液補充作業をすべてなくしてくれたのが、こちらのメカこびと!
水道管と油のタンクにつながっています。

水と油を混ぜる割合をきっちり守るのも、人間より得意です。
濃度が安定して加工の精度が高まりました。

広い工場に設置された12台の工作機械すべてに、パイプを通じて切削液を自動的に補給してくれるようになりました。

パイプを通じて自動的に補給

一言をきっかけに開発したら できちゃった

開発は、コンサルタントの一言をきっかけに、とんとん拍子で進んだそうです。

【メカこびと1号開発メンバー 篠嶋 健二(ささじま けんじ)さん】
「これ何やっているの?」とコンサルタントの方に聞かれて、
「工作機械に切削液を入れる作業をしているんです。」と答えたら、
「この作業無駄じゃないのか?止めてしまったらどうなんだ?自動化したらどうなんだ?」と言われたんですね。
その時に、
「いやいやこれは、無駄に見えるかもしれないけど、とても必要な作業なんです。」って、その時は言ったんですけど、その後に、あれ?って思って。
いろいろ調べて、道具揃えて、会社の中で実験して、実験がうまくいったんで、それを全社的にやってみたら、それもうまくったんです。
できちゃいました。

つぎにメカこびとを探しに行くのは、あなたの職場かもしれません!

  • 松岡忠幸

    NHK金沢 アナウンサー

    松岡忠幸

    出身地 長崎県長崎市
    単身赴任生活3年目に突入しました。
    筋金入りのメカマニアで、アナウンス室時代はロボコン実況全般を一手に担当。

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