【福島・会津】栗原はるみさん“アスパラの里”を訪ねて
- 2023年08月15日
おいしくて、たのしくて 栗原はるみの福島さんぽ。今回は第二弾。
栗原さんが訪ねたのは会津地方です。いったい、どんな旅になったのでしょうか。
舞台は自然豊かな会津地方
今回の旅は喜多方市の田園地帯からスタートです。
歩いていると畑で作業している人が。
そばの畑でした。
実は喜多方市は全国トップクラスの作付け面積を誇るそばの名産地なんです。
県内一の生産地 喜多方市のアスパラガスを訪ねて
そんな自然豊かな喜多方市で、今回目当てにした食材は夏のアスパラガス。
さっそく農家を訪ねてみることに。
葉っぱが生い茂る光景を見て、「夏のアスパラ畑は見たことない」と栗原さんびっくり。
アスパラを木のように育てて、その合間から食卓でもおなじみのアスパラがでてきます。
武藤さんが作るアスパラは甘みが強いと地元でも評判。
生のまま食べてみると・・・
おいしさの秘訣は土作りに。
1年かけて熟成させたもみがらや堆肥をふんだんに畑に与えるなど、こまめな手入れと管理によって生み出されたのが「甘さ」でした。
さらにとっておきの食べ方があるということで作ってくれたのは「アスパラの素焼き」。
食材本来の甘さを味わうため、何もつけずに食べるのがオススメだといいます。
そんな武藤さんのアスパラガスですが、
12年前の震災と原発事故による影響を受け、苦しんだ時期がありました。
アスパラを持って東京に3年間売りに行きました。
子ども連れのお母さんが「頑張ってください」って逃げるように買っていったのを覚えている。地元の人だったのかな。
そんな状態だから、時間がたっても顧客はひとりもいなかった。
「また来たのか」と応援はしてくれるけど注文まではなかった。
それでも懸命に「味」にこだわった武藤さん。
ある幸運にも恵まれ客足が回復していくことになります。
そのきっかけは畑の前に広がる会津の豊かな自然でした。
景色を見に訪れた人がアスパラを買っていき、その味が口コミで広がっていったのです。
料理に欠かせない「器」を探しに
アスパラガスで料理を!
・・・と、その前にもう少し会津地方を散策することに。
栗原さんが訪ねたのは会津美里町。
400年以上の歴史を誇る「会津本郷焼」の産地です。
12ある窯元の共同販売所を訪ねました。
陶器と磁器が同じ産地で作られており、多様な作風が特徴です。
器を納入しにきた陶芸家の女性にも遭遇。
栗原さん、レモンが描かれたお皿が気に入ったようです。
選ぶポイントは「好きか嫌いか」。洋服を買うときと一緒かな。
私が仕事を始めた頃はスタイリストさんがいて好きな食器を使えない時代でした。自分の料理を好きな器で盛れないのが残念で、いつか自分が選んだり、デザインした食器を使うことを夢にしてやってきました。
さらに、会津本郷焼ができるまでを知りたいと、窯元を訪ねることに。
完成までに必要な数々の職人技に触れました。
工程を見学し終えた栗原さん。
「盛りつけからも料理を楽しめるように」とアスパラ料理に使う器を選ぶことに。
手にとったのはお皿ではなく、底が深くなっている器でした。
考えている料理に合わせて、あえてお皿じゃないことにしました。
紺色のこういう形のものは持っていないので、「チャレンジ色」です。
かわいくなると思います。キャベツの千切りとかポテトサラダを入れたりするのにもいいかも!
すると弓田さんから「器を作ってみませんか?」と提案が。
栗原さん陶芸に初挑戦です。
どんな器ができるのか。
次回以降のお楽しみに!
いよいよ、栗原さんのオリジナルレシピの登場!
それではいよいよ調理開始です。
まずは武藤さんの奥さんと娘さんから、
よく食べるという「アスパラの漬物」を教えてもらうことに。
下準備には、生産者ならではの知恵が隠れていました。
「アスパラを指で折る」。かたい部分が料理に入らないコツだといいます。
アスパラをゆでた後、にんじん、ごま、タラの干物を混ぜ、めんつゆで一晩漬けたら完成です。
お返しに栗原さんからもとっておきのレシピを披露してもらいます。
作るのは黒酢を使わない黒酢風のあんかけ!
普段よく使う調味料を使いながらも、シンプルになりがちなあんかけを珍しい味にということで考案しました。
ポイントはみりんを煮詰めしょうゆとお酢を加えること。
これでさっぱりした黒酢風になります。
炒めたアスパラと牛肉に調味料や水溶き片栗粉をあわせて。お好みでごま油をかければ完成です。
選んだ器に盛りつけた一枚。
器の色合いと模様が料理のいいアクセントになっています。
武藤さん一家とおまちかねの試食
気になるアスパラと牛肉のあんかけのお味は?
武藤さんは「シャキシャキしててうまい!」と絶賛。
娘さんからも「ほどよい酸味がある」と好評でした。
アスパラの食感が残っている。
シャキシャキしてて「牛肉でねえ、おれが主役だ」って顔してる(笑)
すると、武藤さんからサプライズが!
運ばれてきたのはこの地区の名物「雄国そば」。
喜多方ではそばはおもてなしに欠かせない存在であり、
地区ごとにそば作りの団体があるほどです。
喜多方市のなかでも標高が高い地区だからこその歯ざわりのいいそば。皆さんと堪能しました。
今回は料理から伝統工芸までたくさんの体験をした栗原さんの会津旅でした。
福島には「ないものがない」ですよね。ありとあらゆるものがある気がします。
まだまだすばらしいものがいっぱいあるんでしょうね。
私の旅はまだまだ続きますが、とても楽しみです。