色とりどり!ウミウシ写真展
- 2023年12月27日
福岡アジア美術館で行われた「ウミウシ写真展」。
玄界灘で見られるウミウシの写真、約300点が無料で展示されました。
写真展を企画したのは、13年間ウミウシの写真を撮影してきた福岡出身のダイバーです。
季節ごとに見られるウミウシを撮り貯めて開催した写真展。どんな思いで写真展を企画したのか、ダイバーの思いを取材しました。
(福岡放送局 アナウンサー 小林将純)
福岡の海にこんなにカラフルな生き物が!
まるでウサギのようなモフモフな体のウミウシに…。
シャッターチャンスが分かっているかのように、こちらを振り向いているウミウシ。
訪れた人たちは色とりどりなウミウシの姿に見入っていました。
訪れた女性)「すごく綺麗で可愛くて、メロメロです」
訪れた男性)「とってもいいね。美術的価値があるよ。現代アートだよ」
さらに、この写真展にはウミウシをより身近に感じてもらう工夫もあります。
ウミウシの写真のすぐ下。ウミウシの名前と何月に写真を撮ったかが記されています。
その隣に、ウミウシのシルエットがあります。近づいて見てみると…。
原寸大のウミウシのシルエットです。鮮やかに撮影されたウミウシが、実際はどれほどの大きさなのかを体感することができます。中には、わずか1ミリのものもあり、近づいて見ないと点にしか見えないシルエットもありました。
他にも、ウミウシの生態を知ってもらおうと、ウミウシが動く姿を捉えた貴重な動画も展示されています。
この写真展を企画したダイビングのインストラクター、牛尾真代さんに話を伺いました。
福岡の海でウミウシに出会ったのをきっかけに、その魅力にとりつかれた牛尾さん。
写真展では、牛尾さん自身も100点以上の写真を展示しています。
そんな牛尾さんの一押しの写真を教えてもらいました。それが、こちら。
近づいて見てみると、こんな形のウミウシです。
カンムリハラックサウミウシです。もう明らかにダントツでかわいいです。
フワフワしていて、ぬいぐるみみたいでかわいいです。
こんなにカラフルな生き物がたくさんいるんだ!色の組み合わせもそうですし、自然にできた色なのかと思うとすごいこと!すごくすてきな生き物たちが福岡の海に、玄界灘にいるんだよというのを、できれば地元の人に知っていただきたいなという思いがあります
ここまでやります!念願の写真展に向けて
自ら海に潜って写真も撮影する牛尾さん。
ことし8月、牛尾さんに同行し、ウミウシ撮影の現場に密着しました。
その時の詳しい様子は、以下の記事で読むことができます。
ウミウシの生態を頼りに、肉眼ではほとんど見えないものも写真に収める牛尾さん。
念願の写真展を開くため、海に潜った時間は、なんと5000時間。
日数にすると、200日以上です。
開催前日、一緒に撮影してきた13人のダイバー仲間が集まり、搬入や設営も手分けして行います。
あらかじめ作ったレイアウトをもとに、約300枚の写真を仕分けていきます。
色鮮やかさがより引き立つように!色合いによってパネルを振り分けています
誰でも気軽に楽しめる写真展に
そうして出来上がった会場がこちら。
違う色のウミウシを隣同士にすることで、会場全体を鮮やかにしました。
牛尾さんは、誰でも気軽に入れる写真展を目指したと言います。
ウミウシを知らない方もいらっしゃると思いますし、まず写真を見て、何かわからないけどかわいいなって思っていただけたら嬉しいです
取材を終えて
私自身よくダイビングをしますが、ウミウシは海の中ではなかなかはっきり見えません。
季節や海の環境によってウミウシに出会えないときもありますし、出会えたとしても体長が小さすぎて肉眼では見えないこともよくあります。
そのため、これほど鮮明にウミウシを見られるのは貴重だと感じました。
それと同時に、私たちにとって身近な福岡の海にも、こんなに生き物がいることを知ることで、海の環境について思いをはせるきっかけにもなるのではないかと感じました。