福岡大学×追跡!バリサーチ 七隈線をもっと快適に!
- 2023年12月22日
福岡大学と追跡!バリサーチがコラボ。今回は、福岡大学の学生のみなさんと調査を行います。
福岡大学、通称”福大”(ふくだい)。9学部31学科。およそ2万人(!)の学生が通う西日本最大級の大学です!
今回、参加してくれたのは「福岡大学学生広報サポーター」の5人。福大生ならではの、調べたいテーマがあると言います。
テーマを発表してください!
「七隈線をより快適な路線にしたい」というテーマです!
博多駅が始発駅になってからは薬院からの乗客があまり乗れなくなった…
実際に、乗れなかったことがあるの?
あります。(遅刻は)1回だけありましたけど、先生に懇願して許してもらいました…
北九州から通っているという村上さんは天神までバスで来るそうですが、そのあとの地下鉄への乗り換えで、乗れないほど混むことが悩みだそう。ご存じの通り、地下鉄七隈線は、今年(2023年)3月、天神南駅と博多駅の延伸部分が開通。使いやすさが増し、乗車率は延伸前のおよそ1.5倍に増えているんです。以前より混み合うようになった地下鉄を、もっと快適に使うために。調査開始!
いま、実際に七隈線はどんな状態なのか? 特に混み合う時間を選んで、車内を実地調査することに。なかでも、学生たちが混みあうと感じている「薬院~福大前」間で、4両編成の全ての車両を手分けして調べました。
それぞれの調査結果を図にまとめてみると…
全車両に共通してドア付近に人がたまっていることが分かりました
しかし…
車内の真ん中に注目すると通路部分には余裕があり、乗客が乗れるスペースが残っています。
通路が空いていても奥につめない人が多かったです…
さらに、乗客の多くが、福大生だということも。2万人の学生、やはり七隈線ユーザーが多いことを実感しました。でも、そこがポイント!という意見が。
福大生の利用がすごい多いので、やっぱり大学生で意識を変えていったらすごく乗りやすい七隈線になるんじゃないかなと思います。
なるほど。生徒数2万人を誇る福大生ならではのお悩みは、そんな福大生だからこそ解決できるかも!?知れませんね。
では、なぜ通路までつめないのか? まずは、福大キャンパスで聞き込み調査をすることに。
広く感じるので、ホームと反対側のドアのほうに立ちます。
通路側はあんまり行かないです。なんか出るときに出づらいっす。やっぱ。
出られなくなるから。言えんタイプやけん、「降ります」とか…
もう入ったときに、ここ(ドア付近)がいっぱいだから、行くとこがない…
通路の奥へつめた方がいいとわかりつつも、なかなかできない、という声が多かったんです。
一方、こんなアイディアを提案してくれる学生も。
西鉄バスだったら高校生が何かと組んで、高校生のアナウンスが流れているんですよ。福大生となんかからんで〝中に入ってください〟みたいな若い声が聞こえたりしたら、みんな「えー」みたいになるかなって1人で考えていました。
なるほど!ありがとうございました!
この、奥までつめない問題。七隈線を運営する福岡市交通局にとっても、難しい課題だと言います。
奥につめてくれなくて奥に行けないと言うことですよね。うーん…でも、すみませんつめて下さいって言うのって、なかなか難しいから、そこは難しいですよね。やっぱり皆さまに自主的につめて頂けないとなかなかですね…
どうしたら、「奥までつめる」という意識を高められるのでしょうか?
そこで…
七隈線の混雑時を再現して、アイディアを練ることに! 実は、七隈線の定員は空港線や箱崎線の半分以下。車両そのものが小さいためで、通路の幅もおよそ1.3メートルと狭いんです。そのため、座席が埋まっていると、通路には1列4人でいっぱいのように見えます。
そこで、立っている4人全員が「意識して1歩つめてみる」ことに。
すると…
4人しか立っていなかったスペースに倍の8人立つことができました。簡単なことですが、1歩つめるだけでも効果があることを確認しました。半歩ズレて、少しジグザグに立つのがポイントです!
さらに…
カバンを前に持つと後ろに大きくスペースが空き、余裕ができることも確認できました。これも、当たり前といえば当たり前ですが、1人でも多くの人が意識すればより効果が高まりますよね!
この気づきを、福大の仲間たちにどう呼びかけるべきか… 考えたのは、駅ホームのアナウンスで呼びかける事。キャンパスでのインタビューでも出たアイデアです。どうしたら、聞いてもらえるか?呼びかけのメッセージを考えました。
「通路につめていますか?」「ドアの前に固まったりしていませんか?」って、聞いたりして意識させるっていうか…
「奥につめてたら乗れてたかも…」「授業間に合うのかな?」
紙いっぱいに書き込んだアイデアから、言葉を厳選。そして、自分たちの声でメッセージを録音しました。さらに、完成したアナウンスを実際に使ってもらえないか、交通局に提案することにしたんです。
まさかの…!?
すると、なんと!実際に福大前駅の構内で流すアナウンスとして、正式に採用されたんです。しかも、12月14日から、すでに実際に使われているんです!
駅構内のスピーカーから、いつもとは違うアナウンスが!
「やっべ!おりられんばい。ワンチャン授業間に合わんくない?」
「リュック、前に持ってくれん?」
「通路側、もっとつめられるっちゃないと? …って聞いてる?」
「あっ!ゴメン。音楽聴いてた…」
「音楽より、聞いてほしいことがあります」
「扉付近から 一歩前に進みませんか?」
「福大生のみなさん。私たちから変わっていきましょう!」
この呼びかけ、聞いていた福大生の反応は…?
いつもと変わっているから、人の耳には聞きやすいかな。
聞きやすい口調だった!
気をつけようと思いました!
呼びかけを作った学生たちは…?
すごい新鮮ですね!思っていた以上にしっかりアナウンス感あるというか…
自分の声を聞いて通学して、マナーをさらに向上させていきたいなと思います!
音声が聞こえてきたときに「なんだっ?」って、ちょっと気にしてもらえると思うので、福大生の人にも福大生じゃない人にもたくさん聞いてもらって、七隈線のマナーアップにつながったらと思います!
駅のアナウンスで流れた自分たちの声を聞いた福大生たち。ちょっと恥ずかしがりながらも、達成感に満ちた顔がとても印象的でした!
今回の学生たちの取り組みにスタジオでは、福岡はコンパクトシティで、乗る区間も短いからすぐに降りるつもりで奥までつめる意識が薄いかも…これからは気をつけます、という声も。とにかく、混雑時は1歩でよいので、意識して通路側につめる。カバンは前に持つ。福大生から始まって、七隈線の全ユーザーにこの意識が広がっていけば、より快適な路線になる日も遠くないかも…と感じました!
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