重い障害のある子どもや保護者を医療の面から支える全国的にも数少ない施設がさいたま市に完成し、利用を考えている子どもたちが招待されました。
「カリヨンの杜」と名付けられた施設は、移転した埼玉県立小児医療センターの跡地のさいたま市岩槻区に作られました。
3月14日には施設の利用を考えている子どもや保護者らが招かれ、設立を呼びかけた1人、小児医療センター附属岩槻診療所の鍵本聖一医師やスタッフが施設の内部を案内しました。
施設では、医療的ケアが必要な重い障害のある子どもや虐待で障害を負い、家庭に帰れなくなった子どもなどを長期で受け入れるほか、ショートステイや外来診療など障害の程度に応じて、きめ細かく対応するということです。施設には平衡感覚を養うためのトランポリンが備えられた部屋もあり、楽しみながらリハビリを受けることができます。
こうした施設は全国的にも珍しく、家庭に問題があり帰ることのできない子どもの受け皿も不足しているということで、鍵本医師は「児童相談所とも連携して家庭でも施設でも行き場を失った子どもたちを支えていきたい」と話しています。
重い障害のある5歳の女の子と施設を訪れた母親は「本人もとても気に入ったようです。上の子どもがいるので、学校行事の時などデイサービスをぜひ利用したい」と話していました。
この施設は4月2日から受け入れを始めています。