放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2013年11

11.1 JASRACの放送使用料包括徴収方式東京高裁が公取委審決を取り消し

東京高等裁判所は,放送での音楽著作権使用料について,JASRACが採用する包括徴収方式に他の管理事業への排除効果を認め,12年6月の公正取引委員会の審決を取り消す判決を行った。

11.1 フジテレビ『ほこ×たて』を“不適切演出”で放送打ち切り

13年10月20日放送の『ほこ×たて2時間スペシャル』で「不適切な演出が存在した」としてフジテレビが番組の放送打ち切りを公表した。同社は過去の全放送を調査,同日放送分を含めてあわせて6件の放送で不適切な演出を確認したとし,再発防止委員会を立ち上げ,具体的対策を講じていくとしている。

11.8 衆参両院がNHK経営委員5人の人事案に同意

衆議院と参議院は,NHK経営委員会委員5人の人事案に同意した。このうち新任委員は,埼玉大学名誉教授の長谷川三千子,小説家で放送作家の百田尚樹,日本たばこ産業顧問の本田勝彦,海陽中等教育学校長の中島尚正の4氏。JR九州会長の石原進氏は再任。

11.13 Inter BEE 開幕

国際放送機器展Inter BEE2013が千葉・幕張メッセで開幕した。49回目となる今回は,出展者数が国内外から過去最高の918,15日までの総来場者数は3万1,979人とほぼ前年並みだった。重さ2 ㎏の8Kカメラヘッドの他,メーカー各社から4K対応のカメラや業務用モニターなどが多数展示されていた。

11.13 NHK中間決算 180億円の黒字

NHKが発表した13年度の中間決算は180億円の黒字だった。12年10月から受信料を値下げした影響で減収となったが,契約数の増加や業務の効率化などで支出を抑えることで黒字を確保した。

11.18 和歌山県 県内全コミュニティー放送局と 災害時の放送要請協定締結

山間や沿岸部の多い和歌山県では,災害情報伝達手段としてラジオを重要視した政策を進めている。その政策の一環として,県内にある5つのコミュニティー放送局との間で,大規模災害が発生した際,県からの災害情報や緊急告知などの伝達に対し,円滑な協力が得られるよう協定を締結した。

11.20 NHK「ハイブリッドキャストサービス」等総務大臣認可

総務省は,NHKが9月に認可申請していたハイブリッドキャストサービスのネットを利用したコンテンツの提供と,14年のソチ五輪における放送予定以外の競技のネット映像配信について,電波監理審議会の諮問・答申を経て認可した。

11.26 通販大手アマゾン 映像配信サービス開始

インターネット通販大手の米アマゾン社は26日,日本国内向けの映像配信サービス「Amazonインスタント・ビデオ」を開始した。映画やアニメ,海外ドラマに加え,民放キー局のテレビドラマなど数万本のコンテンツを視聴できる。配信はストリーミングとダウンロードの2種類,コンテンツごとに課金されるシステムになっている。通販大手の参入で,先行する国内事業者,アップルのiTunes,Google Playなどとの競争の激化が予想される。

11.28 日本による台湾統治を取り上げた番組 NHKに賠償を命じる高裁判決

日本による台湾統治を取り上げたNHKの番組をめぐり,台湾の人たちなどが賠償を求めた裁判で,東京高等裁判所は,取材に応じた台湾の女性1人について「番組によって名誉を傷つけた」と指摘して,NHKに100万円の賠償を命じた。そのほかの原告については「個別具体的な権利を侵害したとまでは言えない」として訴えを退けた。1審は12年,訴えをすべて退け,原告側が控訴していた。