放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2010年11月

11.4スポット回復,3社は売上高増民放キー局5社の上半期決算

民放キー局5社の10年4月~9月期の連結決算が,この日までに出揃った。スポット広告収入が大幅に伸びて,フジ,日本テレビ,テレビ朝日の売上高は前年同期比で増加した。しかし,TBSとテレビ東京は売上高が減り,TBSは2年連続で赤字となった。

11.5日本放送文化大賞グランプリBSジャパン『戦場に音楽の架け橋を』

日本放送文化大賞のテレビ番組グランプリにBSジャパンの『戦場に音楽の架け橋を~指揮者 柳澤 寿男 コソボの挑戦~』が選ばれた。放送文化大賞は,03年に日本テレビのプロデューサーが担当番組の視聴率を上げるために視聴率調査の対象者に金品を贈る事件が明るみに出て,過激な視聴率競争に厳しい批判が出たのをきっかけに制定された。

11.5妻の契約代理権認めるNHK受信契約で札幌高裁が逆転判決

札幌高裁は控訴審判決で,妻が夫の代理でNHKと結んだ受信契約は日常家事に含まれ,有効であるとの判断を示し,1審の札幌地裁の判決を取り消した。この訴訟は,妻が結んだ契約は無効だとして札幌市に住む男性が受信料の支払いを拒否したのに対し,NHKが支払いを求めていたもので,1審の札幌地裁は会社員の主張を認める判決を出していた。

11.16受信料契約の未契約世帯対象NHKが民事訴訟の準備を開始

NHK が,テレビを所有しているにもかかわらず受信契約をしていない東京都内の5世帯に対して,契約の締結と受信料の支払いを求める民事訴訟を起こす準備を始めたと発表した。

11.19CM飛ばし機能付き録画機器民放連会長が危機感を表明

民放連の広瀬道貞会長が記者会見で,CM飛ばし機能付きの録画機器を一部の家電メーカーが生産していることについて,テレビが次々とそうした機能をつければ無料である広告放送はどうなるか,テレビの文化や放送の水準は守られるのかという深刻な問題に関わっている,と述べ危機感を表明した。

11.20地方の時代映像祭開催

地方の時代映像祭が26日までの日程で吹田市の関西大学千里山キャンパスで開催された。30回記念のシンポジウムや講演会などが開かれ,グランプリを受賞した中部日本放送の『笑ってさよなら~四畳半下請け工場の日々~』などが上映された。

11.24地デジ受信機の世帯普及率90.3%受信機の累計出荷9,000万台超す

総務省が地上デジタル対応受信機の世帯普及率が90.3%に達したと発表した。目標は91%だが,片山総務大臣は記者会見で誤差の範囲と述べ,順調に普及しているとの認識を示した。25日には電子情報技術産業協会が,地デジ受信機の国内出荷実績は10年10月の出荷台数が386万4,000台にのぼり,累計で初めて9,000万台を超えて9,204万2,000台となったと発表した。

11.25ラジオ放送をネットに同時配信ラジオ局13社が新会社設立へ

地上波ラジオ放送を放送エリアに準じた地域にインターネットで同時配信するサービスを行う新会社を東京と大阪のラジオ局13社と広告代理店・電通が12月1日に設立すると発表した。

11.2660年ぶり法体系再編,改正放送法成立

放送と通信が融合する時代に対応するため8つの関連法を4つに再編した放送法などの改正案が参議院本会議で賛成多数で可決,成立した。通信・放送法体系の抜本再編は60年ぶり。