放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2008年2月

2.4マクドナルド元従業員の制服着用証言 放送倫理検証委が厳しい指摘

マクドナルドの製造日改ざん事件報道で,テレビ朝日『報道ステーション』が元従業員に制服を着させて証言させた問題で,BPOの放送倫理検証委員会は,テレビ朝日の回答が関係者の教訓にならず,放送界の質的向上にも寄与することがないと厳しく批判する意見を発表した。

2.4NHK経営委員の菅原明子氏が辞任

NHK経営委員の菅原明子氏が辞任した。菅原氏は,経営する会社が東京国税局から約1億5,000万円の所得隠しを指摘されて辞表を提出。4日付で内閣府が辞職を発令した。菅原氏は,NHK会長選任のプロセスで経営委員会運営を批判していた。

2.13インサイダー取引疑惑調査でNHKの第三者委員会が発足

NHKが記者らのインサイダー取引疑惑の事実関係を調査するため,外部委員3人からなる第三者委員会を発足させた。委員長には弁護士の久保利英明氏が就任した。2~3か月かけて調査を行い,原因を究明し,再発防止策を提言する。

2.13「ワンセグ」携帯,2,000万台突破

電子情報技術産業協会の発表によれば,2007年12月末現在で,地上デジタル放送を受信できる「ワンセグ」携帯電話の国内向け出荷台数が2,047万台となった。2007年7月に1,000万台を超えて以降,わずか5か月で2,000万台に達した。

2.13スカパー,宇宙通信を買収

持株会社の「スカパーJSAT」が,三菱グループ系の通信衛星運営会社の「宇宙通信」を買収すると発表した。これで,CS放送のインフラ事業は1社に集約されることになった。CS多チャンネル放送はBS放送やCATVとの競争が激しく,スカパーは規模拡大で収益基盤を強化する。

2.14持株会社の子会社12局上限 民放連が見直し意見を提出

認定放送持株会社が子会社にできる地上放送事業者の上限を総務省が12局としたことに対し,民放連は経営資源の効率的運営には不十分であるなどの理由で,適時適切に見直すように求める意見を総務省に提出した。

2.14「映像・音声遺産」保存でアジア国際セミナー

映像や音声記録の遺産を保存するためのアジア国際セミナーが,NHKやアジア太平洋放送連合などの共催で,2日間の日程で東京で開催された。アジアの放送関係者や専門家らが参加,各国の保存の現状等が報告された。

2.19次世代DVD規格争い,東芝が撤退

東芝が次世代DVD規格「HD-DVD」について,関連機器の開発,生産を停止すると発表した。高画質のハイビジョン映像を長時間録画できる次世代DVD に関しては,ソニーや松下電器産業などの「ブルーレイ・ディスク」(BD)と東芝などの「HD-DVD」が規格争いをしていたが,販売実績で劣勢となり,ハリウッドの映画会社などのBD支持が大勢となったことから,東芝が撤退を決めた。

2.20広告費,ネットが雑誌を抜く

電通が2007年の国内広告費調査を発表した。2007年総広告費は7兆191億円で前年比1.1%増だった。媒体別では,テレビが1兆9,900億円で前年比0.9%の減。新聞は9,400億円で5.2%の減。これに対してインターネットは6,000億円で24.4%増,初めて雑誌を抜いて3番手となった。

2.23実験衛星「きずな」,打ち上げ成功

超高速インターネット通信の実験衛星「きずな」を搭載したH2Aロケット14号が,鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ,予定の軌道に乗って,打ち上げは成功した。同衛星は,小型地上アンテナで鮮明な映像を送受信できる機器を搭載しており,スーパーハイビジョン放送などの実験を行う。