赴任先と取材先にすぐに影響を受けます！

　初任地の鹿児島では、おりしも焼酎ブーム。焼酎の取材も何度となくする中、プライベートでも飲み比べと称して夜の天文館（鹿児島市の繁華街）をハシゴした日が何度あったことか…（笑）　大分では、取材先の障害者ゴルファーの方から勧められてゴルフを始め、山口では日本最大級のカルスト台地で行われる「トレイルランニング」の取材以降、トレイルランニングを始めました。岐阜では「薬草サウナ」を取材して以降、週に１度はサウナに入らないと禁断症状がでるほどに（笑）

　そして金沢では取材先の方に影響を受け、OEK（オーケストラ・アンサンブル・金沢）の定期公演に行き、２０数年ぶりにピアノも再開。美術や工芸が盛んな金沢の町の影響を受け、最近では絵（といっても高価なものではありませんが…）を購入して自宅に飾っています。

　そんな私が、次はどんなものに影響を受けるのか、自分でもワクワクしています♪

被災地の取材を重ねて

　福岡に赴任した直後に熊本地震が発生。震度７の揺れがあった益城町を中心に何度も足を運び、「軒先避難」を続けた方たちや、一丸となって避難生活をしのいだ地域など、被災した町の現状や課題、そしてそこに住む人たちの思いを取材し、伝えてきました。

　　その次の年の九州北部豪雨では、深刻な被害のあった福岡県朝倉市や東峰村を取材。ご自宅が全壊した方、ご家族が行方不明になってしまった方、なりわいの再建のメドが立たない方などを取材しました。

　そして、２０２３年夏から金沢局に赴任し、迎えた２０２４年の元日。

　仕事でもプライベートでも何度も訪れ、大好きになった能登が、私の知る姿ではなくなってしまいました。地震発生以来、夕方の県内ニュース番組のキャスターとして、毎日のように被災した人たちと画面を通して向き合っています。どんな情報が、どんな言葉が求められているのか。どんな言葉なら届くのか。模索する日々です。

　そして、今強く感じているのが、「一つとして同じ災害は無い」ということ。ひとくくりに「災害」とまとめてしまうことで、見えるはずのものが見えなくなってしまいます。家の被災状況、ご家族の安否、避難先はどこなのか、インフラの状況はどうなのか、復旧・復興するために何が必要か…。人の数だけ「災害」があり、そのとらえ方は違って、取材者である私たちの向き合い方も違うのだと感じています。だからこそ、被災した方ひとりひとりの声に丁寧に耳を傾け、取材をしなければいけないと思い、日々、番組を出し続けています。