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栃木県足利市出身の谷津賢二監督が伝えたい中村哲医師とは “他者のために命を…”

  • 2024年2月22日

「他者のために生きて他者のために命を落としたという事実そのものが尊いことだ」

そう語るのは、栃木県足利市出身の谷津賢二監督です。

谷津監督は、アフガニスタンで長年、人道支援に取り組み、5年前の2019年に銃撃されて亡くなった医師、中村哲さんのドキュメンタリー映画を制作し、このほどふるさとの足利市で上映しました。

谷津監督が、映画を通して伝えたいものとは…。

中村さんのドキュメンタリー映画 足利市で上映

映画「荒野に希望の灯をともす」の一場面。用水路建設のため作業する中村哲さん

医師の中村哲さんは、アフガニスタンで30年以上にわたって人道支援に取り組んできましたが、5年前の2019年に現地で銃撃され亡くなりました。

中村さんのドキュメンタリー映画が2月9日に足利市の施設で上映され、800人の観客が入る会場は満席となりました。

映画を制作したのは、中村さんを21年にわたって撮影し続けた足利市出身の谷津賢二監督です。
中村さんが、医師として現地で行っていた医療支援や、アフガニスタンの人たちのために20キロを超える用水路を引き、砂漠化した土地の再生を模索する姿を描いています。

映画は、おととし2022年7月に公開されて以降、自主上映会などが全国で続いていて、のべの観客数は8万6000人を超えています。

谷津監督
「中村哲医師は私たちと同じ時代、私たちと同じ時間を生きた人で他者のために生きて他者のために命を落としたという事実そのものが尊いことだと思い、みなさんにぜひ映像で伝えたいと思ってこの映画を作った。私の地元の方々にも見てもらえてうれしい」

映画を見た女性

人間として本当に正しい生き方をされた方で感動し、後世に伝えていくことはとても大切なことだと思った。

“中村医師の取り組みを知ってほしい”

谷津監督は、中村哲さんのドキュメンタリー映画を制作するため、およそ25回にわたって現地に足を運び、アフガニスタンでの滞在時間は450日を超え、1000時間に及ぶ映像を撮影したということです。

谷津監督は、言語や国を越えて多くの人に中村さんの取り組みを知ってもらおうと、映画の英語版の制作をすすめていて、中村さんを知らない人にも人となりや活動を理解してもらうため、改めて映像の編集をし直したということです。

谷津監督
「中村医師の生き方というのは、どの国や民族や宗教の人間にも必ず届くだろうと確信がある。文化やことばを越えていろんな違いを越えてでも必ず人間として一致できる大切なものがあるはずで、自分も誰かのために生きることができるかもしれないと思い直すような中村医師の生き方を、映像から組み取っていただきたい」

英語版の映画は、ことしの秋に行われる国際映画祭に出品される予定だということです。

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