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世田谷区豪徳寺 旧尾崎テオドラ邸 3月公開 漫画家 山下和美さんなど中心に保存実現

  • 2024年2月9日

東京・世田谷区にある水色の洋館、明治時代に建てられた「旧尾崎テオドラ邸」が取り壊しの危機を乗り越えて3月から公開されます。それに先がけ報道公開された2月8日、保存活動に協力した漫画家たちが集まり、建物によせる思いを語りました。喫茶室や漫画の原画ギャラリーも設けられるということです。漫画家たちはどんなことを話したのでしょうか。

「旧尾崎テオドラ邸」 一時は解体計画も

「旧尾崎テオドラ邸」は憲政の神様とも呼ばれた政治家・尾崎行雄にゆかりがある建物です。明治21年に建てられ、長く地域の住民から親しまれました。ところが4年半前、老朽化から解体する計画が持ち上がりました。

漫画家 山下和美さんなど中心に保存活動

“歴史ある建物を残したい” 「天才柳沢教授の生活」「不思議な少年」などを生み、独特な作風が長く支持される漫画家の山下和美さんなどが中心となって保存活動に乗り出しました。漫画家たちの協力に加え、クラウドファンディングで資金を募るなどして建物の保存を実現したということです。

笹生那実さん

当初の目標を上回るご支援をいただき、応援してくれているんだなと心強く励みになりました。みなさんの応援うれしかったです。

山下和美さん

経過が割と不思議といいますか、すごく困った時に助けがでてくるんです。この館は引きが強いというか。この館の運にのりながら守っていきたいと思います。

漫画家たちの思いは

2月8日、報道陣に改装した「旧尾崎テオドラ邸」が披露されました。
この日は、「ドラゴン桜」の作者、三田紀房さんをはじめ、建物には保存活動に関わった漫画家たちが集まり、保存までの経緯や今後について語りました。

高橋留美子さん

こういう洋館がもし残せるのであれば本当に夢があっていいことだなと。ここに寄って、一服して、と使っていただけたらいいかなと思います。

ちばてつやさん

建物が壊されてしまうと聞いて、もったいないね、文化として残すべきだよねって。ここから日本の漫画文化をいろんな形で発信できたらいいなと思います。

三田紀房さん

これを残したら何かできるなと。このプロジェクト、修復するところまでは何とかできました。われわれもこの先もっと頑張っていかないと。

1階は喫茶室 2階には漫画家たちの原画も

建物は、1階部分は喫茶室に、2階部分は漫画家たちの原画をかざるギャラリーに改装し、ファンを楽しませる作りとなっています。

「旧尾崎テオドラ邸」は3月1日に一般に公開されることになっています。

秋本治さん

漫画家の原稿はなかなか見ることができないですが、ここは原画を見せるなど、美術館的な要素もすごくあるんです。僕ら世代だと原画が残っていますが今の世代だとデジタルになって原画そのものがないんですよ。東京の新しい名所になるようにと願っています。

永井豪さん

地域の人たちが楽しく漫画の原画にふれあえる、そういう場ができたことにすごくよろこんでいます。漫画文化が世界的にも素晴らしいものだということをアピールする場のひとつになればと思っています。

山下和美さん
「ここは館を愛する文化人の方々に守られてきました。みんなこの館の魅力に引き寄せられたのだと思います。私もその一人です。これからは私たち漫画家が引継ぎ、この館の歴史をまたつなげていきたいです。なるべく緑と一体化した形で最初のイメージを大切に維持していこうと思っています。豪徳寺のシンボル、プチシンボルみたいになってくれるとありがたいですね。肩ひじを張らずに、いつまでもみなさんに親しまれる感じで100年200年残ってくれればいいなと思います」

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