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JR東日本 駅の多機能ロッカーでゆうパック受け取りも 相次ぐ参入の広がりは

  • 2024年2月22日

JR東日本は多機能ロッカーを活用して新年度中にも「ゆうパック」の荷物を受け取れるサービスを開始することにしています。駅構内のロッカーというと、従来は一時的に荷物を預けるコインロッカーでしたが、いくつもの機能を持った新たなロッカーが増えていて、JR東日本は構内などおよそ1000か所に整備する計画です。設置のメリットや狙いについてまとめました。
【更新 2月22日】

JR東日本も駅構内に多機能ロッカー導入

JR東日本は、10月31日から多機能ロッカーを順次導入します。これまで通り荷物を保管することに加え、ネット通販の荷物の受け取り場所として利用することができるようになります。
またロッカーに荷物を入れておけば、宅配業者が受け取り指定の場所に届ける機能も備える予定です。

駅設置の多機能ロッカーでゆうパック受け取り

JR東日本と日本郵政は2月21日、都内で記者会見を開き、社会課題の解決に向けて協定を結んだことを明らかにしました。それによりますと物流の「2024年問題」に対応するため現在、東京や大宮など33の駅におよそ60台設けられている多機能のロッカーを活用し、「ゆうパック」の荷物を受け取れるサービスを新年度中にも始めるとしています。

またJRの駅に列車で届けられた積み荷を郵便局員が受け取って車やバイクで運ぶ「リレー輸送」の本格的な導入に向けて取り組み輸送の省力化を目指すとしています。
このほか、すでに一部の無人駅で導入されている郵便局員が切符の販売などを担う一体運用を拡大していく方針です。
【追記 2月22日】

荷物の発送や受け取り 多機能ロッカー設置拡大

駅や街なかの多機能ロッカーは、全国各地で広がっています。宅配大手のヤマト運輸が出資し、全国の駅やスーパーなどで多機能ロッカー「PUDO」を設置している会社は、2016年に多機能ロッカーのサービスを始めました。

時間を気にせずに複数の宅配事業者からの荷物を受け取れるほか、発送もできる利便性や、コロナ禍で通販の利用が急拡大したことなどもあって全国で設置が広がっています。
2016年に120台ほどだったのが、現在では全国でおよそ6800台に拡大、このうち首都圏の駅では400台ほど設置されています。

「PUDO」を運営 Packcity Japan湯山昭信 営業課長
「再配達の負担軽減ということでまだまだ多機能ロッカーは需要があると考えています。処方箋医薬品やクリーニング品の受取などさらにサービス拡充を進めていきます」

需要増加を見据え参入相次ぐ

需要がさらに増えることを見据え多機能ロッカーの分野にはコインロッカーのメーカーやベンチャー企業なども次々に参入しています。

このうち西武ホールディングスは、ベンチャー企業と共同で、西武鉄道沿線の商業施設の商品を受け取れる、「BOPISTA」という多機能ロッカーのサービスを提供しています。冷蔵のロッカーもあり、食品も受け取りやすいという特色を打ち出しています。

宅配業者にもメリット 鉄道会社側は?

物流業界では、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の規制強化に伴い、人手不足がいっそう深刻になる「2024年問題」が迫る中、多機能ロッカーは、宅配事業者にとっては不在時の再配達を避けられるなど効率的な運送というメリットがあります。
また鉄道会社も、空きスペースを活用して駅や沿線の利便性向上を図ることができます。

JR東日本では多機能ロッカーを首都圏の駅などおよそ1000か所に整備する計画です。JRとしては最寄り駅などで荷物を受け取れる環境を整えることで駅の利用者の利便性の向上を図るとともに宅配業者の負担軽減にもつなげたい考えです。

JR東日本スマートロジスティクス 市原康史社長
「ふだん、家にいることが少ない人でも時間をかけることなく帰宅途中に確実に荷物を受け取れる。再配達の削減に貢献したい」

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