1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. 初のJ1昇格 支え続けた人は サッカーJ2町田ゼルビア

初のJ1昇格 支え続けた人は サッカーJ2町田ゼルビア

  • 2023年10月23日

サッカーJ2の町田ゼルビア。22日のロアッソ熊本戦で勝利し、初のJ1昇格を決めました。地元・町田市では多くの人がJ1昇格を祝いました。
ただ、ここまでの道のりは決して平たんなものではありませんでした。Jリーグ入会前からチームで働いてきた人の思いです。

勝ってJ1昇格決めた

22日、アウェーでロアッソ熊本と戦った町田ゼルビア。青森山田高校時代、黒田剛監督の教え子だった宇野選手のゴールなどで3対0で勝利。Jリーグ発足30年の年に、記念すべき初のJ1昇格を決めました。
(22日の試合などをまとめた記事はこちらからお読みいただけます)

黒田剛監督
「町田というチームは最高のチームで家族みたいなチームです。43万人の町田の市民の方々、それからファン・サポーターの末永い応援があったからこそ、この町田というクラブがJ1にたどり着くことができました」

「町田のサッカークラブです」とあいさつしても …

2009年からクラブで働いてきた、マーケティング部長の田口智基さんです。「ほぼ無名の状態から始まった」と振り返り、これまでの道のりを振り返ると感慨深いものがあるといいます。22日の試合より前の10月、お話を伺っていました。

田口智基さん
「私が町田に来たときは社員は6人ぐらいしかおらず、営業で企業を訪問して『ゼルビアです』とあいさつしても知らない人がほとんどでした。もっというと『町田にあるサッカークラブです』とお話ししたとしても『それってどこなんですか』というような、まったく認知がない状態から始まりました」

力をつけたチーム 環境も徐々に整って

チームはJ3なども経験し、7年前、2016年からはJ2で、力をつけてきました。5年前(2018年)にはJ1昇格をかけたプレーオフに挑むことができる4位でしたが、プレーオフは戦えませんでした。J1のクラブに求められる条件が整っていなかったのです。
▼1万5000人以上収容可能なスタジアムや▼基準を満たしたクラブハウスが整備されていることで、これを満たせばライセンスが交付されますが。5年前の時点では対応していませんでした。こうした状況を脱却するため、当時、地元の町田市も、サッカーをはじめとした、大型イベントが開催できるようにと後押ししました。4年前(2019年)には市が所有するホームスタジアムの改修を開始。
クラブハウスも含め将来的な整備を前提に同じ年にJ1ライセンスが交付されました。スタジアムの大型ビジョンはふるさと納税も活用して設置されました。そして去年(2022年)専用のクラブハウスも完成し、満を持してJ1に昇格するための環境が整ったのです。

「私がゼルビアに来た時の2009年は、まだバックスタンドも芝生席で、メインスタンドもベンチシートで、数百人しか入らないところだったんですけど、2010年には照明の設備もついて、その後、メインスタンドやバックスタンド、芝生席の改修というのもありました。町田市の持ち物ですが、市の皆さんの支援があってここまでの改修工事もできたと思います。そんなに大きなクラブでもなかったのに支援をするというのには行政も葛藤があったのではないかと思います」

そして、どんなチームにしたいか、伺いました。

「エンブレムには3つの線があるのですが、市民、ファン・サポーター、そしてチームという三位一体のものを表現しています。この3つがすごくいい形で一緒の方向を向いてやれています。先日、ポスターで掲出でいろいろな店舗に伺ったりとか、張り紙の作業をしていたら『今、調子いいね』って言っていただけたり、もしくは『もう少しこういうことできないの』みたいな提案もいただいて、この15年間でゼルビアというクラブを取り巻く環境も変わりましたし、応援して下さる方の数もものすごく増えてきたと感じています。J1という舞台にわくわくしていますが、市民の皆さんに誇りを思ってもらえる、子どもたちに夢を与えられるクラブにしたいです」

ページトップに戻る