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インフルエンザ 千葉 埼玉 神奈川 東京 茨城 注意報レベルの10人超

  • 2023年10月20日

インフルエンザの流行状況について、10月15日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者の数は、1医療機関あたり11.07人となり、それぞれの自治体がインフルエンザの「注意報」を出す基準となっている10人を超えました。

都内のクリニックでは予防接種の予約が相次いでいるほか、高齢者施設ではインフルエンザが拡大していることに警戒を強めています。

インフルエンザの感染状況は?

インフルエンザの流行状況について、10月15日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者の数は、1医療機関あたり11.07人となり、それぞれの自治体がインフルエンザの「注意報」を出す基準となっている10人を超えました。

国立感染症研究所などによりますと、10月15日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、前の週よりおよそ5500人増え5万4709人となりました。

1医療機関あたりでは全国で11.07人となっていて、それぞれの自治体が「注意報」を出す基準となっている10人を超えました。

「注意報レベル」10人を超えた地域

沖縄県が25.37人、千葉県が20.86人埼玉県が19.69人、愛媛県が18.45人、山口県が17.58人、神奈川県が16.59人東京都が16.19人、大分県が15.95人、福島県が13.94人、静岡県が13.68人、高知県が13.02人、茨城県が12.72人、兵庫県が11.96人、福岡県が11.79人、山梨県が11.22人、熊本県が10.93人、宮崎県が10.47人

専門家は?

日本感染症学会のインフルエンザ委員会の委員長で岡山県の倉敷中央病院の石田直副院長は、現在のインフルエンザの流行状況について、次のように話しています。

石田直副院長
「1医療機関あたりの患者数が10人を超えたが、例年は12月以降にこの水準に達することが多く、今シーズンは流行がかなり早く立ち上がっている印象だ。東京都のデータでは、感染者のうちおよそ8割は19歳以下の若い世代で、今後、高齢の世代で割合が増えると全体の患者の数はもっと増えると考えられる。感染者の数は、『注意報レベル』となってから2週間ぐらいで急増する傾向があるので、11月には、増加のペースがさらに早まっている可能性がある」

また、新型コロナウイルスについては「感染者の数がかなり少なくなり、この夏の感染拡大の波は、ほぼ収束したと考えられるが、冬にかけて大きな流行が発生するという予測もあり注意が必要だ」と話しています。

その上で、今後の注意点については、次のように話しています。

「インフルエンザとコロナそれぞれの感染を避けるためには基本的な感染対策が引き続き有効で、人混みではマスクを着用し手洗いを習慣づけること、また、幼児や高齢者、基礎疾患がある人は重症化リスクが高いので、早めに医療機関を受診し、診断や治療を受けることが大事だ」

東京都 地域別の感染状況はどうなっている?

東京都感染症情報センターが公表している保健所別の感染状況です。

保健所別
▼多摩府中28.70人 ▼八王子市26.56人
▼荒川区25.57人 ▼北区22.82人
▼中野区22.60人 ▼文京19.57人
▼板橋区19.38人 ▼世田谷19.25人
▼多摩小平18.86人 ▼大田区18.29人
▼練馬区16.33人 ▼江戸川16.00人
▼目黒区15.00人 ▼台東14.29人
▼墨田区14.25人 ▼江東区13.07人
▼足立12.80人 ▼町田市12.69人
▼杉並12.53人 ▼品川区12.50人
▼みなと12.44人 ▼池袋12.38人
▼多摩立川12.24人 ▼葛飾区11.38人
▼千代田9.00人 ▼中央区7.60人
▼新宿区7.36人 ▼南多摩7.36人
▼渋谷区6.29人 ▼島しょ6.00人
▼西多摩4.71人

ワクチン接種進める都内クリニック

都内のクリニックでは、10月はじめからインフルエンザの患者が急増していて、予防接種の予約も相次いでいます。

東京・北区にある「いとう王子神谷内科外科クリニック」の発熱外来では、連日20人ほどが受診していて、19日も発熱やのどの痛みを訴える患者が次々と訪れました。

10月はじめからインフルエンザ陽性と診断される患者が急増しているということで、今週月曜日から19日までの4日間に発熱などの症状がある38人を検査した結果、陽性になったのは14人で、3人に1人以上の割合でインフルエンザに感染していたということです。

感染の拡大を受けて、クリニックでは、例年より2週間以上早くワクチンの予防接種を始めましたが、1日30人ほどの予約枠がすぐに埋まる状況が続いています。

ワクチンを接種した30代の女性
「インフルエンザが流行っているとよく聞くので早めに受けようと思いました。接種ができてひとまず安心です」

クリニック 伊藤博道院長
「非常に早い時期の大きな流行です。過去3年間はコロナ対策の影響でインフルエンザの流行が極めて低く抑えられていたが、これだけの流行は異例の出来事だと思います」

警戒強める高齢者施設

新型コロナウイルスの感染が依然として続くなか、インフルエンザが拡大していることに、都内の高齢者施設では警戒を強めています。

東京・練馬区の介護老人保健施設「大泉学園ふきのとう」では、新型コロナが5類に移行したあとも、手洗いや消毒など、徹底した感染対策を変わらずに続けています。

20日の昼食の時にも、職員は手袋やエプロンをつけて介助にあたり、作業をするたびに必ず手を消毒していました。

また、家族の面会も1家族2人まで、1回30分以内で決められたスペースで行うなど、制限しています。

さらに、職員は週に2回の抗原検査を行っているほか、家族がインフルエンザや新型コロナに感染した場合は、72時間は自宅待機にするなど、考え得る対策は徹底して続けています。

それでも、9月も入所者10人と職員2人が新型コロナに感染し、対応に追われました。

その矢先に、インフルエンザの感染が広がっていることに警戒を強めています。

菅俣章治事務長
「正直とても怖いですが、これまでやってきた対策をきちんと続けていくしかないです」

辻正純理事長
「ことしはインフルエンザのワクチン接種を1か月ほど前倒し、来週から始めるつもりで準備を進めています。今は発熱したらコロナとインフルエンザの両方の検査が必要で、しかも施設の利用者は大勢いますから、とても大変なことになります。まずは予防を徹底し、そのうえで感染が確認された場合は、少しでも早く対応することで広がりを防いでいきたい」

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