1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. 市販薬「OD」オーバードーズ 救急搬送を調査 性別の割合や年齢層は

市販薬「OD」オーバードーズ 救急搬送を調査 性別の割合や年齢層は

  • 2023年9月6日

せき止めやかぜ薬など、市販薬の過剰摂取=オーバードーズは「OD」と呼ばれ、若者で急増しています。厚生労働省は市販薬に使用されている成分の一部を「乱用などのおそれがある医薬品」に指定し、高校生以下の若者が購入する場合には、名前や年齢などの確認を徹底するよう呼びかけています。調査で明らかになった過剰摂取の実態や指定の内容などをまとめました。

薬物依存や乱用 「市販薬」使用が増加

国立精神・神経医療研究センターは、全国の入院施設がある精神科の医療機関と連携し薬物依存の患者の実態について調査を行っています。

薬物の依存や乱用で治療を受けている10代の患者が主にどういった薬物を使用していたかを調べたところ、せき止めやかぜ薬などの「市販薬」が占める割合は、2014年にはゼロでしたが、その後、急増し、2022年は65%と突出して多くなっています。

OD=オーバードーズ SNS投稿を見ると

「OD」と呼ばれる市販薬の過剰摂取=オーバードーズ。SNSには「OD=オーバードーズ」をめぐる投稿が相次いでいます。

 

ODするときみんな何を使っている?

 

ODってどんな感じなのだろうか?

 

負けました。オーバードーズした。

そして「オーバードーズして死ぬところだった」とか、「肝臓にも負荷がかかるしやめる」など、過剰摂取の危険性を感じている投稿もあります。

市販薬の過剰摂取で搬送 性別や年齢層は

埼玉医科大学病院などが参加する厚生労働省の研究班は、去年12月までの1年8か月間に解熱鎮痛剤などの市販薬を過剰に摂取して救急搬送された122人について調べました。

その結果、平均年齢は25.8歳で最年少は12歳だったほか、男女別では女性が79.5%、男性が20.5%でした。

職業別では、最も多いのが学生で33.6%、次いでフルタイムで働く人が26.2%などとなっていて、8割以上の人が家族やパートナーと同居していました。

また、搬送された人のほとんどが入院したほか、集中治療が行われた人は半数を超え、後遺症で通院が必要になった人もいたということです。

埼玉医科大学臨床中毒センター 喜屋武玲子医師(研究班)
「家族と同居したり働いたりしていて周囲とつながりがあっても、言いだせないような悩みや生きづらさを抱えているとみられ、周りの人はそのことを知って目を配ってほしい。身体的な治療だけでなく、過剰摂取の背景に何があるのか、考える必要がある」

乱用のおそれがある医薬品

厚生労働省はエフェドリン、ブロムワリレル尿素、プソイドエフェドリン、コデイン、ジヒドロコデイン、メチルエフェドリンの6つの成分を含む製剤を「乱用などのおそれがある医薬品」に指定しています。

これらの成分が含まれる医薬品を高校生以下の若者が購入したり譲り受けようとする場合は、学生証などで名前や年齢、使用状況の確認を求めているほか、購入者が同じ薬をほかの店で買っていないかなどの確認も求めています。
複数の購入を希望している場合は、その理由や使用状況を確認し、適正と判断した場合に限って販売するよう求めています。

ページトップに戻る