明治神宮外苑の再開発をめぐっては9月以降、高さ3メートル以上の樹木の伐採や移植が始まる見通しです。こうしたなか、人気バンド、サザンオールスターズの公式サイトに桑田佳祐さんの再開発への思いを表現した新曲の歌詞が掲載されました。再開発計画をめぐる動きです。
東京・港区や新宿区にまたがる明治神宮外苑の再開発ではことし3月から工事が始まっていますが、事前の説明が足りないなどと反対の声もあがり、事業者側は住民説明会を開いて、計画の内容などについて説明を行いました。9月以降には、高さ3メートル以上の樹木の伐採や移植が始まる見通しです。
この明治神宮外苑の再開発をめぐり、9月3日、人気バンド、サザンオールスターズの公式サイトに桑田佳祐さんの再開発への思いを表現した新曲の歌詞が掲載されました。
新曲のタイトルは「Relay~杜の詩」で、歌詞では「誰かが悲嘆いてた美しい杜が消滅えるのを」とか「麗しいオアシスがアスファルト・ジャングルに変わっちゃうの?」などとつづられています。
神宮外苑の再開発をめぐっては、世界的な音楽家、坂本龍一さんが亡くなる前に、「神宮外苑の開発は、とても持続可能なものとは言えない」などとして、東京都の小池知事などに計画の見直しを求めていました。
新曲を作詞作曲した桑田さんは、2日深夜に「TOKYOFM」で放送されたラジオ番組で、「坂本龍一さんが提示していただいたことがいっぱいあるんですけど、それを受け止めて作った曲と言っていい」などと話していました。
また、神宮外苑近くのスタジオで40年以上、音楽を作ってきたことに触れ、「私なりに調べてみて、何か非常にもったいない気がするなと思って、この歌詞にしました」などと説明しました。
明治神宮外苑の再開発をめぐり、計画の見直しを求める市民グループが4日、都庁で会見を開き作家や俳優など78人から賛同を得たことを明らかにしました。
主な賛同者は、作家の浅田次郎さんや椎名誠さん、俳優の秋吉久美子さんなどで、ほかにも映画監督や建築家などが名を連ねているということです。
「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」の共同代表で作家の森まゆみさんは「賛同してくれた皆さんは、みんなどうなるのか心配しています。緑あふれる神宮外苑を未来に手渡していきたい」と話していました。
明治神宮外苑の再開発では高さ3メートル以上の樹木1904本のうち、743本が伐採されるほか、256本が移植される計画です。
ことし9月以降に神宮第二球場周辺では、およそ30本の伐採が始まることが明らかになっていましたが、7月27日の都の審議会で事業者は再来年から建設が始まるラグビー場の予定地にある90本についても9月以降に移植を始めることを明らかにしています。
一部は、別の場所に仮で移植されますが、最終的にはすべての樹木を、神宮外苑内にすでにある緑地や新しくつくる樹林などに植え替える予定だということです。