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コロナとインフル 子どもの発熱 相談先 救急要請や受診の基準は?

  • 2022年12月5日

新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念されるなか、小児科の発熱外来を受診する子どもの数が増加している病院もあります。子どもが発熱した場合、医療機関を受診した方がよいケースや、自宅で安静にして様子を見てもよいケースなど、どんな症状や容体を判断の基準にしたらよいのでしょうか。さらに迷った場合の相談先などの情報をまとめました。

小児科発熱外来 受診が前月比1割増の病院も

千葉県成田市にある国際医療福祉大学成田病院の小児科の発熱外来では、第7波以降減っていた子どもの受診が10月から再び増加に転じ、11月は142人と前の月よりおよそ1割多くなりました。
病院によりますと、この冬は、新型コロナとインフルエンザの同時流行への懸念から、発熱後の体調急変を心配して受診するケースが多いということです。

学校や家庭での感染が目立つほか、RSウイルスや、ヒトメタニューモウイルスなど、ほかの感染症の患者も増えていることから発熱の症状だけでは見極めが難しいケースが増えているということです。
また、子どもは鼻に綿棒を差し込む検査キットの使用が難しい場合もあり、医師による検査や診断を求める保護者も多いということです。

自宅で安静 様子を見ることができるケース

子どもに熱が出た時などはどうすればいいのか。国際医療福祉大学成田病院の藤井克則小児科部長に聞きました。

様子を見ることができるケース
ポイント 発熱時の容体
今までと違うか見極める
急ぎ受診不要 ・機嫌よくつらそうでない
・水飲む 授乳できている
・ふだん通り眠れている
対応 様子見も可能
自宅で安静 年齢に応じ市販解熱薬など

 

〇発熱だけの場合いつもと違うか観察を
大切なのは発熱したときの容体が今までと違うかどうか見極めることです。
熱が出ても、機嫌がよく、つらそうではない。水を飲んだり、授乳できたりしている。ふだん通りに眠れている場合などは急いで受診する必要はないということです。
あわてずに自宅で安静にして、年齢に応じて市販の解熱剤などを飲ませたうえで様子をみることができるということです。

受診・救急車を呼ぶことを検討するケース

受診・救急車を呼ぶことを検討
受診を ・水やミルクを飲めない
・おしっこの量が減る
・呼吸が速い・顔色が悪い・けいれん
救急車を ・呼びかけに反応しない ・意識がはっきりしない
・明らかなけいれん ・繰り返しおう吐
・眠りがちでぐったりしている

 

〇いつもと違えば受診検討を
一方で、水やミルクが飲めない、おしっこの量が減るなど、いつもと様子が違う場合は注意が必要で、呼吸が速かったり、顔色が悪かったりする時は酸素が足りていない可能性があります。けいれんを起こすなどした場合も、従来からそうした症状がみられる子もいますが、まずはかかりつけの医療機関に相談するなどして、受診してほしいということです。

そして、呼びかけに反応しない、意識がはっきりしない、明らかなけいれんを起こしている、おう吐を繰り返す、眠りがちでぐったりしているといった場合には救急車を呼ぶことも検討してほしいとしています。

判断に迷った場合の相談先

迷った場合の相談先は
#7119
救急要請相談
◇迷った場合の相談先
 すぐに病院? 救急車を呼ぶべき?
#8000
こども医療相談
◇詳しく知りたいときの相談先
 こどもの症状にどう対応?
 家庭での対処法や観察のポイントは?

 

〇迷ったらここに
かかりつけの医療機関でも、すぐに電話がつながらない、受診できないというケースもあります。相談が難しい場合や判断に迷った場合は子どもの症状や必要な対応について詳しく教えてくれる電話相談窓口があります。

「#7119(救急要請相談)」
「すぐに病院に行った方がよいか」「救急車を呼ぶべきか」を悩んだり、ためらったりした時にかけます。

「#8000(こども医療相談)」
こどもの症状に保護者がどう対応したらいいか判断に迷った時、家庭での対処方法や状態の観察ポイントを詳しく知りたい時にかけます。

このほか、自治体の電話相談窓口もあり、いずれも自治体や地域によって実施状況や受け付け時間が異なりますのでご確認ください。

国際医療福祉大学成田病院 藤井克則小児科部長
「呼吸異常やけいれんといったいつもの様子と違う症状がみられたときには迷わずに受診してほしいが、熱があっても元気で、水分がとれれば解熱剤を使いながら自宅で安静に過ごすことも可能だ。迷った場合には、かかりつけの医療機関に相談し子どもの体調の変化に対応してくれる電話相談窓口も活用してほしい」

インフルエンザ患者数の状況

厚生労働省によりますと11月27日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告があったインフルエンザの患者数は前の週から11人少ない535人でした。
インフルエンザは、1医療機関あたりの1週間の患者数が全国で1人を超えると「全国的な流行期」入りとされていますが、今の時点では0.11人と大きく下回っています。

インフルエンザは11月27日までの1週間では39の都道府県で患者が報告されていて、1医療機関あたりの患者数は、京都府が0.57人、大阪府が0.49人、宮城県が0.28人、沖縄県が0.21人、東京都が0.18人などとなっています。

感染症に詳しい東邦大学 舘田一博教授
「いまのところインフルエンザの明らかな感染拡大は見られていないがコロナと同時流行を起こさないよう、基本的な感染対策によって抑えていくことが重要だ」

新型コロナ・インフル 同時流行に備えた医療体制

新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備え、厚生労働省は国のピーク時の想定を上回る1日最大90万人の患者を診療できる体制が11月の時点で整ったと公表しました。

内訳は、重症化リスクの高い人が受診する発熱外来などが87万人、電話やオンライン診療が2万3000人でした。
また土曜日は1日55万人、日曜日と祝日は1日23万人の患者を診療できるということです。

このほか重症化リスクの低い人が自主検査で新型コロナの陽性だった場合に登録する健康フォローアップセンターについては1日最大で20万人が登録できる体制が整ったということです。

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