放置竹林問題 第4弾
今回のみやぎUP-DATEのテーマはこちら!
みやぎUP-DATEで継続して取材している「放置竹林問題」。
放置竹林問題とは、「管理されなくなった竹林が荒れて地すべりの危険性を高めたり、獣害を引き起こしたり様々な問題を引き起こすこと」です。
「丸森町の放置竹林問題をもっと知ってほしい!」という投稿がきっかけで始まったこのシリーズ、今回は新たな動きがあるということで取材してきました。
これまでに取材した記事も、ぜひ合わせてご覧ください!
第1回「放置竹林問題(竹害)って、何が問題なの?」
第2回「続・放置竹林問題 竹の活用方法を探る農家を訪ねました」
第3回「放置竹林問題 第3弾 ~"つながる"から始まる~」
番外編:おはリポ「拡大する放置竹林 「害」を「財」に」
丸森町の現状は?
県内有数のたけのこ産地である丸森町。
しかし、放置竹林問題が年々深刻化しています。
そこでNPOあぶくまの里山を守る会は、月に一度ボランティアを募って竹林整備に取り組んでいます。
さらにこのNPOでは、伐採した竹を粉末にして、新たな価値を生み出そうとしています。
その活用法がこちら。
竹パウダーと生ごみを混ぜておくと微生物が分解してくれる生ごみ処理機、その名も「ネグナッター」です。
(ごみが分解されて「なくなった」→「ねぐなった」→「ネグナッター」です!)
現在は地域の住民に配り、効果を実験中だそうです。
このNPOの中畑さんに伺いました。
NPO 中畑さん 「ただ竹林整備をしても持続しない。 そこから排出された竹を何かに活用できれば循環が生まれて竹林整備も促進される。」 |
今回は千葉県へ!
NPOの人たちが視察に行くということで、ジャス隊も同行させてもらいました。
向かったのは、関東最大の竹林面積を誇る千葉県。
車で移動すること約6時間…
到着したのは、その名も「竹の駅」。
こちらでは伐採した竹を、軽トラックいっぱいで4000円ほどで買い取っているそうです。
さて、この竹をどう活用するのか。
竹を細かく砕くのは丸森町と同じ。ここでは2回に分けてさらに細かく粉砕するとのこと。
このパウダー状になった竹がなんと…
カラフルな食器になりました!
地元の工場がプラスチックと竹を半分ずつ混ぜて製造していて、竹由来の抗菌作用があるため子ども用の食器として人気だといいます。
NPO法人 竹もりの里の鹿嶋理事長にお話を伺いました。
鹿嶋さん 「海洋ゴミの問題があって、プラスティックをできるだけ減らそうというお客さんは増えています。」 |
視察を終えて…
視察をして、「企業とのつながり」という長南町の強みとともに
「いかに丸森らしい出口を作るか」が必要と感じたという中畑さん。
視察から戻るとさっそく動き出しました。
こちらは「ミニ・ネグナッター」。
従来の大きさの約3分の1のサイズの生ごみ処理機です。
集合住宅の人にも気軽に使ってほしいと試作しました。
中畑さん 「いまモニター的に50基ぐらい使ってもらっているんです。 来年度は商品化までつなげる予定です。」 |
家庭以外での活用の可能性を実験しているそうで、地元のコンビニにも設置されていました。
お店の方も、「普通はお金をかけて捨てているが、これだとエコにもつながってお金もかからない。毎日入れています。」と話していました。
1つあたり竹3~4本分の竹パウダーが入るというネグナッター。
処理した後に残ったものは、畑やプランターにまいて効果があるかを調べているところだといいます。
安藤のひとこと。
安藤さん 「今回丸森町の方々が千葉まで行って、その先進的な取り組みを見て、じゃあ自分たちの町で何ができるかということで自分の町で展開を広げていきました。 こうして同じ問題を抱えている人同士が地域を越えて連携していくことで、色んな地域の問題の解決のアイデアや実践策が生まれていくんじゃないかなと期待したいと思います。」 |
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