岸田首相 知床観光船 沈没事故 “国土交通省 責任果たせず”

北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故に関連し、岸田総理大臣は衆議院予算委員会で、去年の特別監査などを通じて、運航会社の安全管理体制を把握できず、国土交通省が責任を果たすことができなかったという認識を示しました。

国会では、衆議院予算委員会で今年度の補正予算案の2日目の質疑が行われています。

立憲民主党の大串博志氏は、北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故に関連し「安全教育が肝であり、安全管理規程に基づく安全教育がなされていれば絶対に船は出なかったはずだ。去年の特別監査や抜き打ち検査で国土交通省は3回も見逃していて、岸田総理大臣が『国土交通省に落ち度があり責任がある』と言わない限り、第2・第3の事故が起こる」とただしました。

これに対し、岸田総理大臣は「特別監査などを通じて、事業者の安全意識の欠如を把握できなかったことは国土交通省として責任を十分、果たしていなかったと認識している。二度とこうした事故は起こしてはならないという強い思いで改善していくよう、私からも指示を出した」と述べました。

また、斉藤国土交通大臣は、作業船で運ばれていた際に観光船が海底に落下したことに関連し「船体に目立った損傷は認められないと報告を受けており、今回の落下で傷が付いていたとしても、沈没時の傷と判別することは可能だ」と述べました。