川勝知事の辞職勧告決議可決
「コシヒカリ」発言で

静岡県の川勝知事が御殿場市について「コシヒカリしかない」などと発言したことをめぐり、24日開かれた静岡県議会は、川勝知事に辞職を促す辞職勧告決議を賛成多数で可決しました。決議に法的拘束力はなく、川勝知事は12月分の給料と、ボーナス合わせて440万円余りを返上する一方、辞職しない考えを示しました。

静岡県の川勝知事は、10月の選挙の応援演説で、対立候補が御殿場市長を務めていたことに関連して「あちらはコシヒカリしかない」などと発言しました。

これについて県議会の自民党会派は、地方自治法にもとづく不信任決議案は、可決の見通しが立たないことから提出を見送る一方「知事の発言は一部地域を差別し、県民の心を傷つけた。県政の停滞と混乱を招いたことは容認できず、知事の資質を欠いているのは明白」だとして知事の辞職勧告決議案を提出しました。

採決の結果、辞職勧告決議は、自民党や公明党の会派などの賛成多数で可決されました。

決議に法的拘束力はないものの、決議案が提出されたのは、戦後の静岡県議会では初めてだということです。

これに先立って、御殿場市の男性が県議会に提出した知事の辞職を求める請願も採決され、自民党や公明党の会派などの賛成多数で可決されました。

川勝知事は、記者団に対し「極めて深刻に受け止めている。猛省をしなければならない」と述べ、謝罪するとともに、12月分の給料と、ボーナスの全額、合わせて440万円余りを返上する意向を示しました。

その上で「来年は生まれ変わったような人間になってみようと富士山に誓った。オール県民のために私の持てる力を新しい新年の清新な気持ちを持って尽くして参りたい」と述べ、辞職はせず、4年後までの任期を務める考えを示しました。