企業主導型保育所 病児保育
使われず改善求める 検査院

国の助成金を受けて企業が整備する「企業主導型保育所」のうち、病気の子どもを預かる「病児保育」の利用実態を会計検査院が調べたところ、全く使われていなかったり、事実上、閉鎖したりしている施設があることが分かりました。計画が不十分なまま助成金を受けたことなどが背景にあり、会計検査院は、事業を所管する内閣府に改善を求めました。

待機児童の解消を目的に4年前から始まった「企業主導型保育所」は、従業員の子どもが優先的に入所でき、国から施設の整備費などが助成されます。

会計検査院が、このうち病気の子どもを預かる「病児保育」も行うとしていた14の都道府県の25か所の利用実態を調べたところ、8か所が必要な体制がとられておらず、病児保育としては全く使われていなかったほか、受け入れを停止し事実上閉鎖している施設も3か所あることが分かりました。

必要な数の看護師や保育士を確保できていなかったり、採算が取れなくなったりしたためで、計画が不十分なまま助成金を受けたことなどが背景にあるとみられています。

会計検査院は、国が選定した公益財団法人による審査や指導が適切に行われていなかったとして、事業を所管する内閣府に改善を求めました。

取材に対し、内閣府は「病児保育が適切に実施されるよう努めていきたい」としています。