菅内閣発足の朝
新閣僚たちの様子は

自民党の菅総裁は、午前6時45分ごろ、日課としている散歩のため衆議院の赤坂議員宿舎を出ました。そして、取材に訪れた記者団に「おはよう」と声をかけ、近所を30分ほど歩きました。

午前7時半前からは、国会近くのホテルでおよそ1時間、秘書官との打ち合わせを行い、衆議院議員会館の事務所に立ち寄ってから、午前9時前に総理大臣官邸に入り、官房長官として、辞表取りまとめの閣議に臨みました。

加藤氏 「菅官房長官の実績引き継ぎたい」

官房長官への起用が内定している加藤厚生労働大臣は、午前8時半ごろ、東京 渋谷区の自宅を出ました。

加藤氏は、認証式で着用するモーニングを手に、記者団に対し「総理大臣になる菅総裁は、7年8か月間にわたり官房長官として大変すばらしい実績を残したので、それをしっかり引き継ぎたい」と決意を述べました。また、「妻からは『頑張ってね。なかなか地元に戻れないね』と言われた」と明かし、臨時閣議に向かいました。

平沢氏「被災地の方の気持ちに立って」

復興大臣への起用が内定している平沢勝栄氏は、午前8時ごろ、東京 葛飾区の自宅を出発し、議員会館に向かいました。

平沢氏は、認証式で着用するモーニングを抱えながら、「このモーニングを着ることによって気持ちを一新する。すでに東日本大震災で被害を受けた福島県や宮城県の知事からお祝いのメッセージをもらったが、皆さんの期待に応え、被災地の方の気持ちに立って、しっかり頑張っていきたい」と述べました。

また、「とにかく電話がすごかった。本当にありがたい。今まで入閣候補に何回も名前が挙がって、なかなか実現せず、地域で応援してくれる人ががっかりしていた。今回は入閣することができ、ほっとしたという気持ちもある」と述べました。

岸氏「身の引き締まる思い」

防衛大臣への起用が内定している岸信夫氏は、16日朝、東京 港区の自宅を出る際、記者団に対し「大変身の引き締まる思いだ。これまで支えてくれた地元の皆さんに感謝の思いでいっぱいだ」と述べました。

岸氏は、実の兄の安倍総理大臣に15日夜に電話したことを明らかにし、「入閣の内定を報告したところ、『よかったね』と応じてくれた。安倍総理大臣は病気が原因で道半ばで辞任せざるをえなくなったので、安全保障政策をはじめ、その思いをしっかり引き継いでいきたい」と述べました。

また、岸氏は国会に向かう車中で取材に応じ、「昨夜は国会議員との会食に参加していたが、内定の電話がなく落ち着かなかった。午後9時前に菅総裁から電話を受け、『防衛大臣をお願いしたい』と言われ、会合の出席者も喜んでくれた。その後、お祝いの電話やメールが数えられないほど来て、できるだけ返事をするようにしているが、なかなか間に合わない」と述べました。

小此木氏「新型コロナ収束に向けても力尽くしたい」

国家公安委員長での再入閣が内定している小此木八郎氏は、午前9時半ごろ議員会館の事務所に入りました。

小此木氏はNHKの取材に対し、「昨夜10時すぎに菅総裁から電話を受け、『国家公安委員長をやってください』と指名を受けた。総裁選挙では菅陣営で選挙対策本部長を務めたので、私が入閣するのはほかの人に申し訳ないが、気を引き締めて臨みたい。閣僚の1人として新型コロナウイルスの収束に向けても力を尽くしていきたい」と述べました。

また、菅総裁が小此木氏の父親で元建設大臣の故 小此木彦三郎氏の秘書を務めていたことに触れ、「45年前のある日、菅総裁が兄として加わったような感じで、私が政治家になってからは仕事を教えてもらうようになった。菅総裁は、明るい人でもなく、話も流ちょうではないが、地道に汗をかく泥臭い人だ」と述べました。