衛隊の中東派遣について
バーレーンで講演 防衛相

中東のバーレーンを訪れている河野防衛大臣は国際会議で講演し、「安定した海洋秩序は国際社会の繁栄の基礎だ」と述べ、今後も外交努力を続けていくとしたうえで、政府が検討している自衛隊の中東派遣は地域の平和と安定に資するものだとして理解を求めました。

バーレーンを訪れている河野防衛大臣は中東地域の外交・安全保障に関する国際会議に外務大臣当時から3年続けて出席し、英語で講演しました。

この中で河野大臣は自衛隊が中東や周辺の海域で活動してきたことに触れ、「中東に寄与してきたのは、開かれて、安定した海洋秩序が国際社会の繁栄の基礎と考えてきたからだ」と述べました。

そして、「中東情勢が深刻の度を増していることを強く懸念している」と述べ、今後も外交努力を続けていく考えを示しました。

そのうえで政府が検討している自衛隊の中東派遣について、「情報収集態勢の強化を図るため、独自の取り組みとして検討を始めた。日本に関係する船舶の安全はもちろん、中東の平和と安定に資するものだ」と述べ、理解を求めました。

河野防衛相「ネガティブな反応なし」

河野防衛大臣は、政府が検討している自衛隊の中東派遣をめぐって、国際会議などで中東各国の閣僚らに方針を説明したほか、日本時間の23日夜、ヨルダンのサファディ外相やフランスのパルリ国防相と個別に会談しました。

このあと河野大臣は記者団に対し、「ネガティブな反応はなかった。そういう意味で日本が検討していることに理解はしてもらっていると思う」と述べ、一定の理解が得られたという認識を示しました。

そのうえで自衛隊の派遣について、「正式に決めた段階で、もう1ラウンド、各国に日本の決定を伝えることはしていかなければならない」と述べました。

一方、河野大臣は自衛隊の派遣を決める時期について、「今の時点で何かデッドラインを決めているわけではない。しっかりとした検討をしていきたい」と述べました。

バーレーン国軍司令官らと会談

河野防衛大臣は、23日国際会議で講演したのに続き、24日はハリファ国軍司令官や、イエメンのミフラフィ大統領顧問と個別に会談し、日本に関係する船舶の航行の安全を確保するため政府が検討している、中東への自衛隊派遣について方針を説明しました。

一連の日程を終えた河野大臣は、記者団に対し「中東の関係者と自衛隊派遣について意見交換できたのはよかった。好意的に受け取ってくれるところが、非常に多かった」と述べました。

そのうえで、「しっかりと中東の情報収集を強化していきたい。そういうことが今後の日本の活動の基礎となっていく」と述べ、自衛隊派遣の意義を強調しました。