費を私物化している
疑い」野党が追及へ

総理大臣主催の「桜を見る会」について、野党側は毎年参加者数が増えている中、公的な行事に安倍総理大臣の後援会から多くの人が招かれていたとすれば悪質な公私混同だとして徹底して追及していく方針を確認しました。

総理大臣主催で毎年開かれている「桜を見る会」について、共産党は、参加者数や支出が年々増えているほか、安倍総理大臣の地元の後援会からも多くの人を招待しているなどと批判しています。

これについて、立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党の野党4党の国会対策委員長らが会談し、公的な行事に安倍総理大臣の後援会から多くの人が招かれていたとすれば悪質な公私混同だとして、徹底して追及していく方針を確認しました。

そして、野党4党で合同の追及チームを立ち上げ、招待者を選ぶ基準などについて政府側に説明を求めるほか、参加者数が増えている経緯などを調査することを決めました。

会談のあと、立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「極めて重大な問題であり、国費を私物化している疑いが強い。安倍総理大臣に直接、説明をしてもらう必要がある」と述べました。

共産 小池氏「血税を使った行事の私物化か」

共産党の小池書記局長は記者会見で「『各界の代表者』が本当に功績のある人なら否定するものではないが、自民党議員や安倍総理大臣の後援会が選んで連れてきているのであれば趣旨に反する。『血税を使った公的な行事の私物化』と言われてもしかたがなく、安倍総理大臣の資質や資格が問われる」と述べました。

菅官房長官「招待者の説明は控える」

菅官房長官は、11日の記者会見で「『桜を見る会』は、昭和27年以来、総理大臣が、各界で功績や功労のあった方々をお招きし、日頃のご苦労などを慰労するとともに親しく懇談する内閣の公式行事として開催されており、内閣官房および内閣府で最終的な取りまとめを行っている」と述べました。

そのうえで、「来年度の概算要求では、テロ対策の強化や混雑緩和の措置など、近年に講じた改善点を反映させており、実態にあわせた要求を行っている」と述べ、予算の要求額に問題はないという認識を示しました。

一方、「招待者数を精査する考えはあるか」と質問されたのに対し、菅官房長官は、今後検討する考えを示しました。

また、「個々の招待者については招待されたかどうかも含めて個人情報であるため、従来から回答を控えている」と延べました。

自民 岸田氏「問題ない」

自民党の岸田政務調査会長は記者会見で、「『桜を見る会』は、各界で功績や功労のあった方々を招き、慰労する趣旨の会で意義のあることだ。問題があるとは認識しておらず政府で適切に対応すると思う。菅官房長官が招待者数の精査を検討すると発言したと承知しており、必要があれば説明することも考えられるのではないか」と述べました。

自民 二階氏「党は関与していない」

自民党の二階幹事長は記者会見で「党は特別の関与はしておらず、内閣官房や内閣府に聞いてほしい。説明責任は政府が考えることで、私が『説明しなさい』とか『説明しなくていい』と言う立場ではない」と述べました。

自民 石破氏「首相が呼ぶなら公平性要求される」

自民党の石破元幹事長は記者団に、「誰をどう招待するかは招待者の権能によるのではないか。ただ一般論で言えば、総理大臣が呼ぶなら当然、公平性が要求される」と述べました。

また「私は『桜を見る会』に自分の後援会を招いてはいない。そういう枚数があったら、期数の若い議員にあげたい。党の役職をしている時に枠があったが、使ったことはない」と述べました。