国で日本製品不買
「行き過ぎ」の声で一部中止

日本が輸出管理の優遇対象国から韓国を除外する決定をしたことを受けて、韓国ソウルでは、一部の行政区が主導して日本製品の不買などを訴えるイベントを開きました。ただ、市民からは、イベントの中身が行き過ぎだとして「両国にとってよくない」との声もあがり、イベントの一部は中止されました。

韓国ソウルのソデムン区は6日、日本が輸出管理の優遇対象国から韓国を除外する決定をしたことを受けて、区役所内にあった大量の日本製の文房具やプリンターのインクなどを箱に入れて鍵をかけ、区として使用しない姿勢をアピールしました。

また中区も6日から大通りに日の丸とともに「ボイコットジャパン」という文章をあしらった50の旗を掲げ、日本製品の不買運動に加え、日本への旅行を取りやめるよう呼びかけました。

ただ、中区には日本人観光客が多く訪れるミョンドンなどの繁華街があり、旗の掲揚について市民の一部から「行き過ぎだ」という声があがりました。

屋台の従業員のひとりはNHKの取材に「日本人観光客がいなければ私たちも商売ができないし、両国にとってよくない」と述べて、商売への影響を心配していました。

こうした声を受けて中区のソ・ヤンホ区長は「日本政府と国民を同一視し、日本国民に不必要な誤解を与えかねないという懸念を謙虚に受け止める」とのコメントを旗の掲揚からおよそ4時間後にフェイスブックに投稿し、掲揚を取りやめると明らかにしました。

韓国では、プサン市が日本との交流事業の中断を発表するなど、行政が市民の反日感情に呼応した対応をとることが少なくありませんが、ソウルの中区に関しては市民が冷静な対応を呼びかけて、行政がそれに応じたかたちです。