陸自ヘリ事故 “中国海軍との関連は確認されていない”捜索続く

陸上自衛隊のヘリコプターが消息を絶った事故をめぐり、立憲民主党が、当時の自衛隊機の活動は「中国海軍の動向と関連した偵察だったのではないか」と質問したのに対し、防衛省は中国海軍の活動とは時間帯が大きく離れており、事故との関連は現時点で確認されていないと説明しました。

4月11日の参議院外交防衛委員会では、6日の午後、陸上自衛隊のヘリコプターが沖縄県の宮古島の周辺で消息を絶った事故をめぐり、同じ日に中国海軍の情報収集艦が沖縄本島と宮古島の間の海域を南下した動きなどとの関連について取り上げられました。

この中で、立憲民主党の福山元幹事長は「宮古島周辺がある意味で非常に緊迫している状況の中で陸上自衛隊のヘリコプターが航空偵察で動いている。これは中国海軍の動きとは関係ないものなのか」と質問しました。

これに対し、防衛省統合幕僚監部の大和太郎総括官は「中国の艦艇の活動は、いずれも6日未明に起こっており、事故発生の時間とは大きく離れている。今回の事故に関連するような中国軍の動向は今のところ確認していない」と述べました。

また「第8師団長の偵察飛行は先月30日に着任し、あいさつなどを終えてから6日に実施したということであり、特段の意図を持って実施日を設定したということではない」と説明しました。

陸自ヘリ事故 発生から5日 捜索続く 有力な手がかり見つからず

陸上自衛隊のヘリコプターが沖縄県の宮古島の周辺で消息を絶った事故は発生から5日となりますが、隊員につながる有力な手がかりは見つかっていません。11日も自衛隊と海上保安庁、それに地元の漁業者が捜索を続けています。

今月6日、陸上自衛隊のヘリコプターが宮古島と橋でつながる伊良部島の北端から北東におよそ3キロの地点で消息を絶ち、乗っていた10人が今も行方不明となっています。

発生から5日となり捜索活動が難航する中、11日も伊良部島周辺では自衛隊と宮古島海上保安部、それに地元の伊良部漁協が捜索にあたっています。

このうち自衛隊は、陸上からおよそ290人態勢で捜索にあたっているほか、艦艇3隻と航空機6機を出して海や空から捜索を行っています。

伊良部島の北から北東にかけての海域では、音波探知機を備えた掃海艇と潜水艦救難艦が航行を続け海中の捜索を行っています。

また、宮古島海上保安部は巡視船2隻で、島の北側だけでなく西の海域まで捜索範囲を広げています。

10日から地元の伊良部漁協も捜索に加わっていて、11日も午前8時半ごろから12隻の漁船を出して、島の周辺海域で手がかりをさがしています。

捜索 自衛隊は艦艇3隻 航空機6機 海上保安庁 巡視船2隻

今回の事故で自衛隊は11日もおよそ290人態勢で陸上での捜索を行っています。

また、艦艇3隻を展開して海上や海中での捜索を行うとともに、航空機も6機を出して空から手がかりを探しています。

海上保安庁も巡視船2隻で捜索を続けています。

「引き続き捜索に全力を尽くす」浜田防衛相

浜田防衛大臣は閣議のあと記者団に対し「燃料タンクらしきものを含む機体の部品やヘルメットなどが発見されている一方、いまも行方不明の隊員10人を見つけ出すには至っておらず、引き続き捜索に全力を尽くす」と述べました。