岸田総理大臣の欧米歴訪に同行した長男の翔太郎秘書官が、公用車で観光などを行ったと報じられたことについて、外務省は立憲民主党の質問状に対し「個人の観光動機による行動は一切ない」などと文書で回答しました。

岸田総理大臣の欧米歴訪に同行した長男の翔太郎秘書官が、公用車で観光や買い物を行ったと「週刊新潮」が報じたことについて、外務省は立憲民主党の質問状に対し、1月30日に文書で回答しました。

それによりますと、
▽関係者と意見交換を行うための国際機関などへの訪問や、
▽岸田総理大臣の欧米歴訪を対外発信するための風景などの撮影、
▽政治家としての岸田総理大臣の土産などの購入、
といった行動以外は確認されなかったとしています。

そのうえで「個人の観光動機による行動は一切ない」と説明しています。

また、公用車の使用状況については「総理大臣の行事に同席しない関係者が公用車を利用して視察や訪問を行う際は、内容や重要性などに照らし、必要とされる範囲内で運用している」として、今回の歴訪でも同様の運用だったとしています。

官房長官 “対外発信用の撮影も現時点では未使用”

松野官房長官は、30日午前の記者会見で、岸田総理大臣の長男の翔太郎秘書官が欧米歴訪に同行したことについて「対外発信に使用する目的で、街の風景やランドマークなどの外観の撮影を行った」と改めて説明しました。

また、記者団が、撮影した写真の使用状況を質問したのに対し、松野官房長官は「通常、日程終了直後に対外発信に使用することもあれば、一定期間素材を収集し、後日、一連の活動記録として使用することもある。今般の素材は、現時点では使用していない」と述べました。

立民 安住氏 児童手当の所得制限 “自民党が導入主張”と批判

立憲民主党の安住国会対策委員長は28日、山形市で記者団に対し、岸田総理大臣の欧米歴訪に同行した長男の翔太郎秘書官が公用車で観光などを行ったと報じられたことについて「事実かどうかの確認はさせてもらいたい」と述べ、国会審議で、岸田総理大臣を追及する姿勢を示しました。

立民 逢坂氏 首相長男“公用車観光”報道受け日程の回答求める

岸田総理大臣の欧米歴訪に同行した長男の翔太郎秘書官が、公用車で観光などを行ったと「週刊新潮」が報じたことについて、木原官房副長官は、公務以外の不適切な行動は確認されなかったと説明し、問題ないという認識を示しています。

これについて、27日、衆議院予算委員会で野党側の筆頭理事を務める立憲民主党の逢坂代表代行は、記者団の取材に応じ、翔太郎氏と与党側の古川筆頭理事に対し、歴訪中に訪問した具体的な施設を含む日程や公用車の使用状況などについて予算委員会の理事会で明らかにするよう文書で回答を求めたことを明らかにしていました。

これに対し、古川氏からは「予算委員会の理事会で協議する事項ではない」などと口頭で返答があったということです。

逢坂氏は「まず事実をはっきりさせないとよいか悪いかも判断できない。海外出張で公用車を使って個人的な観光をしていたとすれば、国民もおかしいと感じるはずなので、明らかにしていきたい」と述べました。